学生時代に今はなき銀座シネパトスのレイトショーで本作を鑑賞し、良い意味でも悪い意味でも生涯忘れることの出来ないトラウマを残した本作が初のBlu-ray化と知り、相当な覚悟を決めて人生2度目のソドム体験。エピソード等は私のような若輩者が語る必要がないことは重々承知だが、あえて言わせてもらえればHDニューマスター、Blu-ray化でもってそれぞれの地獄がより一層際立つ印象が強い。この映画のもたらす副作用、それを芸術と捉えるか否かは個人の判断だが、生の三部作を撮り終えた後に本作を選んだパゾリーニは、きっと撮影前から本作が遺作となるのを感じていたのではないか。