親しみやすい曲調と個性的なキャラクターを持つピアノ曲集を数多く手がけ、たくさんの音楽愛好家に愛される作曲家・湯山昭。かく言う僕も彼の曲集《お菓子の世界》を愛奏するピアノ弾きの一人である。そんな湯山昭待望の最新作《ピアノの世界》が遂に完成。初めて鍵盤に触れる子供たちのために構成された全3巻の楽譜集だが、聴けば単なる教育用に留まる音楽でないことはすぐにわかる。1、2分の小品に詰め込まれた豊かな音楽性とピアノへの愛が、眩しいまでに輝いている。ついつい弾いてみたくなるかもしれないが、湯山昭作品の第一人者:堀江真理子デュエットゥの演奏でまず楽しんでみてはいかがだろう。

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【参考動画】須藤英子の演奏による湯山昭“バウムクーヘン”