敬愛するプリンスの『Art Official Age』への参加や、アクアラングアルト・ジェイルディメンタルなど多様な共演を経て、3年ぶりに完成した2作目。シャーデーの憂いとアリシア・キーズの力強さを兼ね備えたような歌声と、ネオ・ソウルの系譜に沿いつつフォークやロックへ傾倒して花開いた音楽的才能は、今作でも咲き誇っている。ポール・エプワースと紡いだアンニュイな浮遊ソウル“Unstoppable”、アル・シャックス作のポップな“What You Don't Do”など、名匠の助力を得たことでポップスとしての強度を増したことに加え、異邦の地での孤独を歌う“Tokyo”の切なさ然り、ギターを爪弾く可憐なシンガー・ソングライターとしての佇まいもいっそう際立った。自身の色合いをよりハッキリさせた快作だ。