2009年に『The Future Sound Of Russia』をコンパイルした頃からロシアのシーンに目を光らせていたホスピタルだが、同作にも名を連ねたモスクワの鬼才をついにメッド・スクールから送り出す時が来た。このエレクトロソウル・システムはリキッド系のフォーカズスピアヘッドなどアンダーグラウンドな舞台を主戦場にしてきた人で、その成果が詰まった新作はソウルフルなスタイルとミニマルなテック・サウンドの2つを軸に、サイケデリックやエレクトロニカなどのフレイヴァーも交えてクールにアレンジ。ディーイズムを迎えたヒプノティックな歌ものテック・ファンク“Shadow”や、ジャングルを現代版ディープ・チューンへと転化する“Timetraveller”など、珠玉のトラックの並ぶ名盤が生み落とされた。