ホセ・マセダと言えば、現代音楽界では誰もが知る作曲家だが、民族音楽研究者としての顔はあまり知られてないだろう。そんな知られざる側面を明るみに出す素晴らしい作品がリリース。マセダが初めてフィールドワークを行なった1953年からの約20年間、フィリピンの様々な地域で現地録音した少数民族音楽の音源を2枚組に収録。サウンド・デザイナー、森永泰弘がフィリピン大学と共同でプロデュースしている。年代と機材によるローファイな音質と、マセダの耳が切り取ったエスノは、自身の作曲作品への相互フィードバックもあっただろうし、様々な想像を巡らせてしまう。今後の同レーベルのリリースも楽しみだ。

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