ブーランジェベリオに師事した経歴を持つクレシェフスキ。以前リリースされたテープ音楽集でも聴ける様に、彼はアカデミックな世界とは距離を置いた極めて異質な音楽を作り続けて来た。その音楽は竹村延和を始め著名人にもファンを多く持つ。今回の新作はハイパー・リアリズム(写真などを用いて対象を克明に描写する美術の潮流)の概念を取り入れた近年の作品を自身が選び収録している。生楽器や肉声による演奏を素材とし、年代や文化、ジャンルなどのコンテクストが異なる音同士がパッチワークされている。色濃くとある文化を想起させる音を放り込み異化させるその大胆な手法に驚嘆せずにはいられない。