舞台を歌舞伎町のラブホテルにしたからこそ見えてくる人間臭さ。男と女、欲望、愛、夢、人情…。24時間を時系列で追うという設定と冒頭から長回しのカメラ、主演の染谷将太&前田敦子の自然なセリフと演技は映画というよりドキュメンタリーを観ているような感覚になる。実力派俳優陣たちの身体を張った官能シーンを観るだけでも充分価値あり。そして何より、個性豊かな登場人物の不器用ながらも必死で生きぬく姿はきっと誰の胸にも突き刺さるはず。ただの群像劇という言葉では物足りない濃密な時間を過ごせる映画だ。