切れ味抜群、音圧デカすぎなロンドン産のロックンロールに震えろ!

  前身のスウォントン・ボムス時代より数倍ソリッドでクールなロックンロール、というのは昨年リリースのシングル“XXX”“Swarm”で証明済みなのだけれど、それにしてもアルバムという形でフルで聴くと、ボヒカズのサウンドがいかに多面性を持っているかに目を見張る。

THE BOHICAS The Making Of Domino/HOSTESS(2015)

  ギターがキラリと光りながらもポスト・パンクのストイックさがズンズンと全面に出る様は、ブロック・パーティのそれを思い出させるし、オリジナル・ポスト・パンクの真顔感にガレージ・ロックを掛け合わせることで、単調さから抜け出す迫力も内包している。そういった、ひとつひとつの音の作り方がとにかく巧みなのだ。

 なるほど、ドミニク・マクギネス(ヴォーカル/ギター)はこのバンドのみならず、シンガー・ソングライターである兄ユージン・マクギネスのバック・メンバーとしても百戦錬磨だし、エイドリアン・アコラツェ(ベース)はもともと音楽大学でダブル・ベースを学んだプレイヤー(いまはエレキ・ベース)。根本に個々のテクニックをしっかり持つグループだからこそ、単なる勢い一発感とは一線を画す、楽曲を練り込んだおもしろさがある。〈何だかよくわからないけどカッコイイ〉とまず思わせる不穏で不遜な雰囲気も含め、このデビュー作『The Making Of』は腰を据えてじっくり向き合うに値する一枚だ。