COLUMN

11月に来日公演を控えるヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの八面六臂の活躍を振り返る最新ベストが到着

古希(70歳)を迎えたパールマンの最新ベストが来日前に先駆けてリリース!

 8月31日に古希(70歳)の誕生日を迎えたイツァーク・パールマン。20世紀の後半から今世紀における最も偉大なヴァイオリニストの一人として名を馳せ、圧倒的な技巧で多くのファンを魅了してきた彼もいつの間にか円熟期に入っていたのか…と感慨深いものがある。11月には2年ぶりの来日公演も控える彼だが、それに先駆けてワーナー・クラシックスより『ザ・パールマン・サウンド』と題したディスクがリリースされる。同一企画の海外盤は3枚組だが、こちらはその魅力を凝縮した2枚組。協奏曲、ソナタ、小品などの聴きどころを巧みに抜粋した全34曲が収録されている。パールマン入門に最適なのはもちろん、長年のファンにとっても半世紀以上にわたる彼の八面六臂の活躍をダイジェスト的に振り返ることができる格好のアイテムと言えるだろう。

ITZHAK PERLMAN ザ・パールマン・サウンド~最新ベスト(2015) Warner Classics(2015)

 それにしてもこれだけの分量を改めて聴き通してみると、パールマンの名に因んで“真珠のような人”と讃えていた先達の言葉に改めて納得させられる。しなやかな右手と精確極まりない左手。この奇跡のような技巧とバランス感覚から生まれる音楽は、曲想やリズムなどの違いにかかわらず、いい意味で常に楽しい。サラサーテ《カルメン幻想曲》の情熱、クライスラー《愛の悲しみ》の哀愁、バッツィーニ《妖精の踊り》の緻密な跳躍。あらゆる作品やパッセージを完璧に弾き分ける一方、そこに無機質的な冷たさは一切なく、音楽を奏でることへの喜びと敬意が温かい大輪の花を咲かせているのだ。

 あともう一つ、当盤で彼の軌跡を振り返る中で驚かされるのが共演者の豪華さ。ピアニストを挙げるだけでも、アルゲリッチカニーノプレヴィンサンダース。さらにモーツァルトの協奏曲第3番やヴィヴァルディ《四季》では弾き振りもしており、その柔軟性と多才ぶりがよくわかるだろう。

 そして彼は、いつ、どんな時も、“真珠のような人”であり続けている。

【参考動画】イツァーク・パールマンによるモーツァルト〈ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ〉

 

LIVE INFORMATION
イツァーク・パールマン2015年来日公演
○11/18(水)19:00開演 会場:ザ・シンフォニーホール (大阪府)
○11/19(木)18:45開演 会場:愛知県芸術劇場 コンサートホール
○11/21(土)19:00開演 会場:サントリーホール 大ホール
○11/23(月・祝)14:00開演 会場:サントリーホール 大ホール

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