〈オトナテクノ〉を掲げ、楽曲ごとにさまざまなトラックメイカーを迎えたフル・アルバムの第2弾。冨田恵一が繊細なシンセワークで包んだナンバーや、柔和な音像が心地良いAZUMA HITOMIアレンジの楽曲群など、彼女らしいチャームを備えたテクノ・ポップが並ぶ。一方でグルーヴに力点を置いた楽曲が目立つのも本作の特色かもしれない。Seihoが手掛けたYMO“Tong Poo”のカヴァーとtofubeatsによる表題曲はいずれもシンセ・ファンクと形容できるし、Ovallを迎えた楽曲に至っては生演奏を活かしたド直球でファンキーな仕上がりなのだ。ここでの〈テクノ〉はテクニカルなパフォーマンスの意味も? ……というのは深読みかもしれないが、当人の卓越した歌とピアノこそが肝なのは間違いない。