アクトレスの主宰する地下レーベル=ヴェルクディスクより、危険な才女がアルバムをリリース。パンでのブラック・サイツ名義作やファクトリー・フロアのリミックス、そして野外パーティー〈rural 2015〉での来日も話題だったハンブルクの美女でございます。中身は昨今の地下シーンを賑わすロウ・ハウスですが、ここで特に感じられるのはリアル80年代のインダストリアルボディー系の影響。それこそノーウェイヴノイエ・ドイチェ・ヴェレあたりからエレクトロ、テクノへと脈々と続くマシーン音楽の怨念を、フレッシュにアップデートさせる手腕に惚れてしまいます。ともすれば視野狭窄な方向に陥りがちなこの手の音ですが、色気とアシッドな毒気を含みつつドライに仕上げられた内容は痺れるほどに良いです。