ホイットニー・ヒューストンの遺作となった映画「スパークル」(2012年)の主演を皮切りにした好調な女優業に軸足を移していた彼女が、ジェイソン・デルーロとの破局も経て、ようやく本腰を入れて音楽にカムバックしてきた。実に6年ぶりとなったこの3作目ではサラーム・レミと手を組み、『Compton』抜擢で名を上げたデム・ジョインツや売れっ子のキー・ウェインDJマスタードら旬の名前が主役のR&B志向を満たすべく尽力。デビュー時とは異なるセクシーな歌唱も今様のサウンドにしなやかに寄り添う。先だってセイジ・ザ・ジェミナイとの交際をInstagramで報告した彼女らしいクラブ・チューン“Double Tap”やベイビーフェイス製の優美な“They Don't Give”など、予想以上に好曲の揃った充実作だ。