今の3人だからこそ奏でられる名作映画のあの音楽

 今年メジャーデビュー5周年を迎えた人気トリオTSUKEMENの快進撃が止まらない。4月にリリースした初のフル・オリジナル・アルバムに続き、来る10月21日にはアニバーサリー第2弾を発表。1アーティストが年間に複数のアルバムを制作するのが極めて困難な現代のレコード業界で、彼らの人気がいかに高いかがよくわかる指標と言えるだろう。そんな当盤のテーマは、TSUKEMENのレパートリーの中でも特に支持を得ている映画音楽だ。

 「映画音楽は曲想のバラエティが豊かで、クラシックよりもライトで聴きやすいものが多いのが魅力。映画館や自宅で皆さんがご覧になった名作を懐かしく思い出しながら、TSUKEMENのアレンジで新たな形に昇華された音楽をお楽しみください」(SUGURU/p)

TSUKEMEN TSUKEMEN CINEMAS キング(2015)

 当盤は過去のアルバムの収録曲を含むコンピレーション・アルバムだが、今回はあえて全曲を新録音(全13曲)。彼らならではのこだわりと、彼らの5年間の確かな成長の軌跡が感じられる。

 「今年の8~9月に4回に分けてスタジオ録音しました。この5年間で成長できた部分もあるので、あえて時間と手間をかけて新録音による録り直しをしたんです。僕たちならではの"スタジオ録音だけどライヴ"のような世界をお届けできたらと思って」(TAIRIKU/vn)

 そうした中、特に解釈が変化したのがスローなナンバーだという。

 「《シェルブールの雨傘》や《ひまわり》は、昔だとテンポが間延びしがちでした。でも今回は3人の解釈がそれぞれ深まり、アンサンブルの呼吸感も溶け合ったことで、音楽の歯車がきちんと回るようになったと思います」(KENTA/vn)

 全13曲とも聴きどころが満載だが、3人それぞれのお気に入りを挙げてもらうと次のような答えが。

 「やはり《スター・ウォーズ》ですね。小学生時代、風邪をひいて学校を休んだ時にこの映画を初めて観て、興奮した僕はさらに熱を出しました(笑)」(TAIRIKU)

 「エンニオ・モリコーネの大ファンなので、《ミッション~ガブリエルズ・オーボエ》。TSUKEMENのために新作を書いてくださったら最高ですね」(KENTA)

 「僕は広島出身ということもあり《仁義なき戦い》を。幼少期の僕はこの映画で広島弁を学びました(笑)」(SUGURU)

 今年の下半期も全国各地でライヴを開催予定で、年末までほぼ休みがないというTSUKEMEN。当盤リリース以降の公演では収録曲も披露されるというから、さらなる盛り上がりと成熟を聴かせてくれることだろう。

【参考動画】TSUKEMENの2015年作『Op.1~frontier~』収録曲“SAMSARA”

 

LIVE INFORMATION
TSUKEMEN LIVE 2015~FRONTIER~
○10/16(金)iichiko総合文化センター 中ホール(大分)
○10/18(日)とぎつカナリーホール(長崎)
○10/24(土)秋田アトリオン 音楽ホール(秋田)
TSUKEMEN LIVE 2015~TSUKE CINEMA~
○12/4(金)フィリアホール(神奈川)
○12/13(日)かつしかシンフォニーヒルズ(東京)
○12/30(水)いずみホール(大阪)
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