10月7日にリリースされたTHE NOVEMBERSの新作『Elegance』。Mikikiでは、フロントマンの小林祐介とプロデューサーを務めた土屋昌巳の対談で、美麗な装飾の如き〈優雅〉さで統一された作品が花開いていく過程を語ってもらいました。そして同月13日には、タワーレコード渋谷店でリリース記念イヴェントが開催。THE NOVEMBERSのメンバー4人全員と土屋昌巳が登場したこの催しの模様をレポートします。

左から、吉木諒祐、高松浩史、土屋昌巳、小林祐介、ケンゴマツモト

タワーレコードのストリーミング・メディア、〈タワレボ〉の看板番組「Bang On!」のスペシャル・イヴェントとして配信も行われた本企画。平日の21時からと少し深めの時間帯でしたが、会場には多くの方が来場していました。パンク/ニューウェイヴ/オルタナティヴ・ロック中心のプログラムで、かつ今回出演した2組の風貌もあってか、モード系の服装の方が多い印象です。

「Bang On!」MCのヤマダナオヒロを司会に、THE NOVEMBERSと土屋昌巳のトーク・セッションがスタート。最初は、THE NOVEMBERSが今年で結成10周年という話題で、小林祐介は「あっという間なんだけど、長く濃い時間を過ごしたような不思議な気持ち」と10年を振り返っていました。続いて“きれいな海へ”のMVを上映しながら、〈Father side〉〈Mother side〉の2作を2台のスマートフォンで並べて再生すると、より世界観を楽しめるという仕掛けについて、「一つになりたいというラヴソングでなく、いつまでもどこまでも他人のまま、違う価値観のまま思いやれたらというのを映像で表現したかった」と意図を明かしてくれました。

そして、土屋が「全然初対面って感じがしなかった」と話す第一印象を受け、いよいよレコーディング秘話へ。データでの音のやりとりはナシというこだわりや、ギターの2人が土屋から機材を借りまくったというエピソードなどに、来場者は聞き入っていました。土屋はさらに、「アルバムを1枚作るのは友人と2、3年過ごすのと同じくらいの濃密な時間」「音楽は記憶の芸術」など、Mikikiの対談と同様に痺れる名言を連発! レジェンドの隣に座って緊張した面持ちのMCに「なんか固くない?」と微笑みまじりに突っ込むなど、会場の空気を見事に温めていました。これぞまさに、〈カッコイイ大人〉です。

その後、話題は『Elegance』の各曲解説へと突入。ドラムの吉木諒祐が「10年経ったしシンセとかやってみようかなって」とベーシック・トラックを持ってきたという“心ひとつ持ちきれないまま”。“裸のミンク”については、ベースの高松浩史が「ラルク(L’Arc~en~Ciel)の曲で言えば“Wind of Gold”」と語るなど、メンバー全員が参加したプログラムならではのコメンタリーとなりました。

イヴェント終盤では、土屋がメンバー4人の印象をそれぞれ告白するという、バンドにとってはドキドキの時間も。「吉木くんは繊細すぎてドラマー向きじゃない」「ケンゴくんは昔の人」「小林くんは色が白い」などのパンチラインにお客さんも沸くなか、特に高松の毅然とした性格を評した「高松くんを怒らせるな!」に会場全体が爆笑。締めの挨拶でも、「高松くんを怒らせないようにします」(ケンゴマツモト)など、土屋の発言を受けてのコメントが続いたのも微笑ましかったです。そして最後は小林が、「〈Honeymoon〉というタイトルに表れているように、いつも新鮮な気持ちでいたいという願いを込めて。ここからまた新しいスタートのつもりでやります」と、11月2日(月)から始まる結成10周年ツアーについて意気込みをアピール。詳細は以下の通りですので、ぜひ足を運んでみてください!

 

〈10th Anniversary TOUR –Honeymoon-〉
2015年11月2日(月)新木場STUDIO COAST
2015年11月5日(木)心斎橋JANUS
2015年11月6日(金)京都磔磔
2015年11月8日(日)高松DIME
2015年11月10日(火)松江AZTiC canova
2015年11月11日(水)広島CAVE-BE
2015年11月13日(金)福岡BEAT STATION
2015年11月15日(日)池下UPSET
2015年11月19日(木)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2015年11月20日(金)金沢van van V4
2015年11月23日(月・祝)仙台enn 2nd
2015年11月28日(土)札幌COLONY

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