ウクライナのジャズ・シーンをリードする若きベース奏者、コンスタンチン・イオネンコのデビュー作。ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ビル・フリゼールらジャズ・ジャイアントからの影響を、クラシックやジャズ、ロックに至る幅広い自らの音楽性と民族的ルーツから生まれる思慮深く美しいメロディによって見事に昇華、洗練されたサウンドムードを生み出している。イオネンコのベースは気心の知れたメンバーを心地よく見守りながらもダイナミックに躍動する。ドミートリイ・シュレーレンのアルトも実に魅力的だ。ウクライナ・ジャズの今後の躍進から目が離せない。