INTERVIEW

進化の只中にある気鋭の5人組、YOUR ROMANCEが語るNiw!からの初ミニ・アルバム『BUSINESS』

進化の只中にある気鋭の5人組、YOUR ROMANCEが語るNiw!からの初ミニ・アルバム『BUSINESS』

異なる魅力を持った個性的なソングライター/シンガー2人を擁し、80年代のポップスが放っていた煌びやかな雰囲気を放つサウンドとツイン・ヴォーカルという編成を活かしたライヴで注目を集めている5人組、YOUR ROMANCE。彼らがNiw!からリリースした初CD作品となるミニ・アルバム『BUSINESS』は、各メンバーがそれぞれの役割を最大限に果たした結果、高い完成度を誇りつつ、文字通り〈バンド〉として瑞々しく動いていることを感じさせる一枚となっている。今回は、現在だけでなく、来たるべき次回作の展望も含め今後についての話が何度も飛び出した、いままさに進化中であることを強く感じさせる5人の声をお届けする。

『BUSINESS』収録曲“Kids”のミュージック・ビデオ。ディレクションは今作がデビューとなる映像制作チーム、The 16."が担当しており、出演者/ディレクターなど全員が20代前半という若い感性で制作されたもの。MVでは、YOUR ROMANCEとどこか寂しげな雰囲気を漂わせる女の子の様子が同時間で展開するが、両者が交わることのないままラストを迎える映画的な仕上がりとなっている。

※YOUR ROMANCE、DATS、LUCKY TAPES、PAELLASのメンバーによるコンピレーション・アルバム『NOW NIW NEXT』リリース記念の座談会はこちら

 


 

歌とメロディーにはソウルをしっかり込めたい

――まず、バンドの成り立ちから教えていただけますでしょうか。

Shinji(ヴォーカル/シンセサイザー/ギター)「最初は自分とinuiで弾き語りユニットみたいな形で始めて、音もアコースティックな感じだったんですけど、だんだんバンドにしたくなって。それで高校の軽音楽部で一緒だったShunとShissyを入れて、今年の2月くらいにHirotoがシンセサイザー担当として加わりました」

inui(ヴォーカル/ギター)「4人での初ライヴが2014年の8月で、そこからずーっと走ってる感じです。たまに水を飲むくらいのイメージで」

――YOUR ROMANCEのサウンドはさまざまな要素を含んでいると思いますが、メンバーそれぞれのルーツとなる音楽はどういったものなのでしょうか?

Shun(ドラムス)「僕はずっとクラシックの勉強をしていて、いまでも仕事を貰えばやるような環境で育ってきました。ルーツはそういうオーケストラとかパーカッションに行き着くかな。でも高校からバンドも始めて、UKロックとかストロークスヴァインズも好きになりました」

inui「自分はブラーデーモン・アルバーンとストロークスのジュリアン・カサブランカスをソングライターの2大巨頭みたいな感じで尊敬してます。外国人だけど、〈わびさび〉を感じるというか。自分のソングライティングも、技法というよりは気質の面で影響を受けていて。あの2人のせいで自分も情けない男になっちゃったと思ってます(笑)」

Shinji「俺はロックがルーツじゃなくて。もともと父親がジャズ好きで、母親はレゲエとかヒップホップを聴いてたんです。一番最初に音楽を意識したのはそのあたりかな。たぶんこれまでの人生で一番聴いたのは父親が持ってたジャズ・ヴォーカルのコンピレーションで、いまも聴いてます。スーパーとかで売ってるような謎のコンピなんですけど、フランク・シナトラとかチェット・ベイカージェリー・ロンドンヘレン・メリルといった往年のジャズ・シンガーたちのスタンダードが収録されてるような、すごくいいセレクトで」

inui「僕もジャズ・ヴォーカルが好きで、最初にYOUR ROMANCEを2人で始めた時はそういう音楽にフォーカスしてました」

Shissy(ベース)「自分は楽器を始めたのが高校の頃で、それまでは主にJ-Popを聴いてたんですけど、先輩たちがコピーしてたアークティック・モンキーズあたりから洋楽も聴きはじめました。あともうひとつバンドをやってて、そっちの影響でキング・クリムゾンとかピンク・フロイドのようなプログレも聴いてました。YOUR ROMANCEに誘われてからはストロークスとかフェニックスを聴くようになって、そっちにもハマりました」

Hiroto(シンセサイザー)「僕はアンビエント。これまでで一番好きなのは、アルバム・リーフの『One Day I'll Be On Time』(2001年)に入っている“Wet The Day”という曲です。もともとトラックメイカーとして活動しててギターも弾いてたんですけど、YOUR ROMANCEに入ってからキーボードを始めました」

 アルバム・リーフの2001年作『One Day I'll Be On Time』収録曲“Wet The Day”

 

inui「ヒロちゃん(Hiroto)は音作り的な面を追求してるよね」

Shinji「中学に入ってからは周りに影響されて当時流行ってたUSのヒップホップばかり聴いてたんだけど、ロックの目覚め的なところで言うと中学3年生の春休みにアークティック・モンキーズのファースト(『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』)が出て、〈ヤベー〉〈ロック、カッケーじゃん〉って思って。俺の場合はそこからエレキ・ベースを始めて、20歳くらいでシンセサイザーに出会いました。YOUR ROMANCEをはじめてからようやくギターも弾き始めたけど、結局いろいろな音楽に影響されると、音作りを含めて自分の思っていることをダイレクトに表現しやすいのはやっぱりシンセなんです」

アークティック・モンキーズの2006年作『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』収録曲“I Bet You Look Good On The Dancefloor”

 

――YOUR ROMANCEのサウンドは80sのポップスからの影響が色濃いと言われていますが、ルーツは幅広いんですね。

Shinji「80sのシンセ・ポップが特別に好きだってわけじゃないんです。それこそ90sのUSヒップホップも60sの西海岸のサイケも好きだし。去年YOUR ROMANCEを始めた時に一番おもしろかったことが80sサウンドを作ることだったんです」

inui「バンドを始めた時、パッと視界が広がるような曲を作りたいなと思ってて。そういう点では80sのUSの音楽はサウンドも明るいし、無意識的に影響を受けているかも」

――YOUR ROMANCEではShinjiさんとinuiさんが作曲されていますが、それぞれのソングライティングの方法を教えてください。

inui「頭のなかでバーンと曲が全部出来ることが多くて、弾き語りをしながら作ることもあります。歌うのがめっちゃ好きなんで、メロディーが重要。それしか考えてない。レコーディングを経て思ったんですけど、音楽の新しさってもうリズムとかミックスでしか生み出せないかもしれないから、そのぶん歌とメロディーにはソウルをしっかり込めないとな、と思ってます」

Shinji「おれはinuiくんとは逆。8小節くらいを同時進行で作って、さて、これをどうしよう、という作り方。基本的には、〈よし曲を作ろう〉って時しか作らないです。でも、これからはもっとプリミティヴな作り方をしたいな、というのがあって。そのほうが自分のルーツとかが出てきやすそうなんで。曲が浮かんだ時はメモ代わりにiPhoneのGarageBandでデモを作ります」

inui「自分もGaregeBandは使いますね」

Shun「ShinjiのGaradeBandの使いこなし方はハンパじゃないですよ!」

――そうして作曲されたナンバーは、どのようにバンドに落とし込まれるのでしょうか?

Shinji「俺とinuiくんがそれぞれデモを作って、みんなに聴かせたあとにすべての曲のアレンジを俺とヒロちゃん(Hiroto)主導でやります。特にドラムとベースに関しては楽譜に忠実にやってもらいたいところがあるので、ShunとShissyにはかなり無理を言いますね」

Shun「無理を言ってるふうだけど無理ではないので、やるしかないなと思ってやってます」

Shissy「ベース・ラインに関しても、先輩ベーシストが作ったフレーズなんで、〈勉強になるな~〉と思いながらデモを再現してます。そのうえで自分の色を足していければいいかなと」

Shinji「そのプロセスがいま結構上手くいってる気がしますね」

――作曲の際、ツイン・ヴォーカルであることを意識しますか?

Shinji「俺の曲に関しては〈inuiくんにここを歌ってもらおうかな〉って考えながら曲を作ってますけど、逆にinuiくんの曲に対しては〈おれ、ここ歌うから〉みたいなことは言わないです。inuiくんは自分の歌を大事にしてるから」

inui「いまのところ、それぞれ自分が書いた曲でメイン・ヴォーカルを取って、もう一人がコーラスを担当するんですけど、今後は違う構成でやりたいなと」

Shinji「例えばジャニーズの曲みたいなことね。Aメロを櫻井くんが歌って、Bメロは大野くんで、そのあと櫻井くんのラップが入って……みたいな組み合わせでやってみたいです(笑)」

inui「これまではパーソナルな部分があったほうがいいかな、と思ってたけど、今後はヴォーカルが2人いる部分をもっと美味しくしていければ」

Shinji「ライヴではヴォーカルが2人いるからこその見せ方ができるのがおもしろいし、YOUR ROMANCEの強みだと思ってます」

 

ベストを尽くした感じはある

――今回のミニ・アルバム『BUSINESS』をNiw! からリリースするに至った経緯は?

Shinji「自分たちが所属しているLittleize recordsのボス、QUATTROTakeshi(Iwamoto)さんが一番信頼しているインディー・レーベルがNiw!なので、そこからリリースするのはごく自然なことでした」

――配信シングル“Animals”が初めての正式なレコーディングだったそうですが、『BUSINESS』の制作はいつ頃行われたのでしょうか?

Shinji「2月末に7インチと配信シングルのレコーディングが始まって、そのまま『BUSINESS』の制作に突入したんで、6月までずっと制作してましたね」

inui「曲自体は『BUSINESS』に入っているもののほうが(“Animals”の収録曲より)古いですね。“Tap My Heels”だけは今回の作品のために作りました。ほかの曲は前からあって、ライヴでやってたものをリアレンジしたり」

YOUR ROMANCE BUSINESS Niw!(2015)

 

――1曲目の“Tap my heels”から解説をお願いします。すごく開けた雰囲気の、オープニングに相応しいナンバーですね。

inui「ミニ・アルバムの1曲目、と意識して作った曲です。イントロだけがあって、それがオープニングっぽいから1曲目にしようと思ってたけど、なかなか完成しなくて。ゲロ吐くかと思うくらい苦労しました」

Shinji「配信用の音源をレコーディングしながら作ってたもんね」

inui「そうそう、スタジオのロビーで書いたりしてた。苦労したけど、そのぶん思い入れも強いです」

――Shinjiさんが作曲された2曲目の“Kids”は、後半の畳み掛けるような展開にアガります。

Shinji「この曲はシンセサイザーの曲です。曲の終盤の間奏部分、すごく音楽っぽくなってるなーってミックス中に思いました。ほんとに頭から終わりまで一番最初に頭に浮かんだフレーズをそのまま使ってるって感じです」

――3曲目、“The Way”はギターのカッティングが気持ちいいですね。

inui「これは去年末くらいに新曲やってないな、と思ってパッと作って、ライヴでわりと演奏してた曲です。そこから紆余曲折を経て、今回のミニ・アルバム用にリアレンジしました」

Shissy「実はベースのリズムがキッチリ揃ってなくて、一度エンジニアさんに揃えてもらったんですけど、何か違う気がして元に戻しました。グルーヴとか人間味が失われるというか。録音も時間ギリギリだったんで、焦った気持ちが入ってると思います」

inui「それがいい感じになったよね。最終的に、Shissyのベースがブリンブリンいってるディスコっぽい曲になりました」

 

――4曲目の“Ginza”は?

Shinji「もともとあった曲なんですけど、今回のために全部アレンジを変えて、歌メロもあんまり残ってないぐらい。ほぼ新曲みたいな感じです。自分はinuiくんと違ってあんまりパーソナルなことを歌詞にしないんですけど、この曲だけはわりとラヴソングなんです」

inui「“Replica”も“Animals”も結構レベルな内容だもんね。僕は正反対なんですよ。自分のことしか考えられない」

Shinji「女の子のコーラスが入ってるんですけど、歌録りの3日前に俺が弾き語りで出演したイヴェントで一緒になった娘で。とにかく彼女の歌に感動して、特にコーラス・パートは考えてなかったけど急遽参加してもらいました」

――5曲目の“Replica”は、YouTubeにアップされていた“You're In Love As Everyone's Replica”に比べると、ブライトかつクリアなアレンジになっていますね。

Shinji「メンバー的に去年までのアレンジが古く感じられていたので、一度ヒロちゃんに全部投げてリアレンジしました」

Hiroto「自分は作曲者ではないので、音作りとかを確認しつつ、作った人のイメージにどうやったら近付くかを意識してアレンジしました」

――作曲者としてはHirotoさんのアレンジをどう受け止めました?

Shinji「いやもう、完璧っすよ」

Hiroto「レコーディングでエンジニアさんと作業するのは初めてだったんで、いろいろ勉強になりました。満足いってない部分ももちろんありますけど」

Shinji「それは全員そうだよ」

2014年に公開された“Replica”の原型となる“You're In Love As Everyone's Replica”

 

――6曲目の“ Animals”は配信シングルの表題曲。

Shinji「完全に配信シングル用に作って、仮タイトルは“Feel Better”でした。自分では結構リリックが気に入ってて。テーマが宇宙というか、ほかの曲に比べて壮大。神の目線というか。書いてて楽しかったです」

――『BUSINESS』全体の手応えはどうでしょうか?

Shinji「ベストを尽くした感じはあります。欲を言えば、もっとこうしたかった、ああしたかった、ってどんどん出てきますけど」

inui「それは一生続くやつだよ、何やっても。思い入れとかあるからまだフラットな目では見られないけど、いい作品になったと思います」

――話は変わりますが、いわゆる〈東京インディー〉のようなシーンは意識されていますか?

Shinji「今年に入ってからはシーンはあんまり意識してなくて。去年出てきたバンドそれぞれが、独自にカッコ良いものを作ってる感じだと思う」

――では、特にシンパシーを感じるグループなどはいますか?

ShinjiPAELLASですね。レーベルも一緒だし、サウンド面も近いものがあるので」

inui「僕も単純にファンですね。カッコ良いと思います」

Shinji「向こうはどう思ってるかな(笑)」

――今後の展望を教えてください。

Shinji「次の作品はサウンドが変わります。それは断言できる。もっとパーソナルでシンプルな曲が多くなると思う。5人でのレコーディングを経てるんで、いままで勉強してきたものをすべてぶつけられるんじゃないかな」

inui「ネクスト・ステップをめざしてね」

 


 

YOUR ROMANCE ライヴ・スケジュール

〈"NOW NIW NEXT" Release Party〉
日時/会場:2015年11月3日(火・祝) 東京・渋谷TSUTAYA O-nest
開場/開演:16:00/16:30
料金:2,800円(1ドリンク別)
LIVE: CURTISS、DATS、LUCKY TAPES、PAELLAS、Seuss、SUPER VHS、YOUR ROMANCE

※チケットキャッシュオフ※
・『NOW NIW NEXT』を当日会場に持参→500円 OFF
・『NOW NIW NEXT』、YOUR ROMANCE『BUSINESS』、CURTISS 『Four Doves』の3タイトル購入→1,000円 OFF

■チケット発売中!
チケットぴあ:http://t.pia.jp//0570-02-9999(Pコード: 277−306
ローソンチケット:http://l-tike.com//0570-084-003(Lコード: 73788
イープラス:http://eplus.jp
問い合せ:TSUTAYA O-nest(03-3462-4420)

 

〈YOUR ROMANCE Presents "BUSINESS" RELEASE PARTY Yvent vol.2〉
日時/会場:2015年12月3日(木) 渋谷 clubasia
出演:YOUR ROMANCE、PAELLAS ほか
問い合せ:clubasia(03-5458-2551)

〈Niw! Records Presents "First Dope" in OSAKA〉
日時/会場:2015年11月20日(金) 大阪 Pangea
出演: YOUR ROMANCE、SeussDENIMSCoughs ほか
問い合せ: GREENS(06-6882-1224)

その他のライヴ
日時/会場:
・2015年10月30日(金) 新宿 MARZ 〈生命大躍進〉
・2015年11月3日(火・祝) タワーレコード横浜ビブレ店 ※インストア・イヴェント
・2015年11月14日(土) 仙台 ZERO 〈MidNightRomantics vol.2〉
・2015年11月19日(木) 新代田 FEVER 〈Littleize records × Dining bar SR 2nd anniversary party〉

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