もともと2012年に発表していた“Cheerleader”がフェリックス・イエンのユルッユルなハウス・リミックスによって世界各国を順繰りに席巻し、ついに全米1位を独走する事態となった2015年の夏。このジャマイカ出身のシンガー・ソングライター、オミーにとっては忘れられない季節になったはずで、このアルバムでも次のシングル“Hula Hoop”(共作者にはカール・ウルフの名も)を含め、〈一発屋〉で終わることを良しとしない多様なアプローチが採られている。後見人がクリフトン“スペシャリスト”ディロンという点からいわゆるレゲエっぽさを連想する人もいそうだが、実体はレゲエ・フュージョンからトロピカル~ディープ系ハウスまでがポップに満載されていて心地良いったらない。軽薄ながらも充実の一枚です。