INTERVIEW

活躍の場広げるピアニスト、清塚信也が〈BGMとしてのピアノ〉をテーマにピアノの新しい立ち位置提案する新作を語る

活躍の場広げるピアニスト、清塚信也が〈BGMとしてのピアノ〉をテーマにピアノの新しい立ち位置提案する新作を語る

誰しもに寄り添う極上のサウンドトラック

 11月4日にニューアルバム『あなたのためのサウンドトラック』をリリースする清塚信也。ピアニストとしての活動はもちろん、映画やドラマへの楽曲提供、俳優、バラエティー番組への出演など、活躍の場を大きく広げている彼が、このニューアルバムのテーマに選んだのは意外にも〈BGMとしてのピアノ〉だという。なぜ、主役ではなくBGMに?

 「ショパンベートーヴェンが活躍していた時代は、確かにピアノは主役。音楽がとてもセンセーショナルで、娯楽の中心だったからです。でも現代のように娯楽の方向性が多様な時代においては、ピアノの存在はむしろ原始的なものと言えるでしょう。時代が変わった今、本当に求められているピアノの姿とはどんなものなのか?と考えたんです。映画等の劇伴の仕事に携わるなかで、音楽に求められるのは“主張しないこと”。説明しない、邪魔しない、ただそこに風のように流れる、まさにBGMです。でも、そのBGMがトリガーになって、観客自身のいろいろな感覚を呼びおこす。もしかしたら、情報過多の現代には、この主張しないBGM…サウンドトラックのような音楽があっているのかもしれない…と。ピアノ演奏は言葉がありません。なにも断定しないし、意味をもたない。どこまでいっても抽象的。聴く人が自由に受け取り方を変えられるものです。だからこそ、嬉しい時も、絶望している時も、どんな場面でも寄り添える音楽になれる。これは歌や映像にはない、ピアノの強み。ピアノが奏でる音楽がみなさんの日々のなかに溶け込んで、それぞれの人生を彩るサウンドトラックになればいいな、と。これがピアノの新しい立ち位置なのではないかと思っています」

清塚信也 あなたのためのサウンドトラック Columbia(2015)

 今回のアルバムにはオリジナル曲のほか、《ピアノ・マン》や《もしもピアノが弾けたなら》などのカヴァー曲も収録されている。

 「《ピアノ・マン》は、さまざまな人生が交差するバーで、いろんな人に寄り添い、彼らのために弾いている。そのビリー・ジョエルの歌詞が、非常に今回のアルバム・コンセプトと相似しているので、象徴する1曲として収録しました。ほとんど即興で弾いています。せっかくなので、ピアニスティックな部分も楽しんで欲しいですね」

 今回はヤマハが最高級ピアノCFXと世界屈指の精鋭スタッフを提供、フルサポートのもとでレコーディング。日本が世界に誇るピアニスト、ピアノ、チューナーが、我々一人一人のサウンドトラックを奏でてくれたのだ。あぁ、なんて贅沢だろう。

 

LIVE INFORMATION
清塚信也リサイタル「K'z Piano Show 2015」 ~NEW ALBUM 発売記念~
○11月14日(土)会場:第一生命ホール

清塚信也 LIVE ~NEW ALBUM 発売記念~
○11月7日(土)会場:名古屋ブルーノート
○2016年1月9日(土)会場:ビルボードライブ大阪
http://shinya-kiyozuka.com/

関連アーティスト
40周年プレイリスト
pagetop