お色気を通り越し、キワモノの領域に達したエロネタ芸に磨きをかけ、ピーチズが6年ぶりの新作を発表した。ポスト・パンクエレクトロクラッシュの系譜に連なるスタイルはキープしているが、今回はトラップやヒップホップを呑み込んで重たいベースラインをズンズンと響かせており、表向きのトーンはクール。しかし、ドスを効かせた語り口などは手に汗握る迫力と熱量だ。鈍い輝きを放つビートにキム・ゴードンの貫録たっぷりなヴォーカルを乗せた“Close Up”、ファイストの可憐な歌声をフィーチャーしたヘヴィー・エレクトロ“I Mean Something”ほか、ベース・ミュージック・ファンにも聴いてほしいナンバーがアルバムを埋め尽くす。過激なギャグでお下劣度マックスなPVも必ず観るべし!