エールの片割れが初のソロ作を発表。EDMを意識したと思しき冒頭曲こそ派手な鳴りだが、2曲目以降は静謐なピアノやオーケストラを用い、古き良きシャンソンやジャズまで採り入れて麗しいサウンドスケープを描いている。とりわけグレン・グールドによるバッハの大胆な再解釈にインスパイアされたらしく、そのスコアや思想をタペストリーのように編み上げたポスト・クラシカル風情の楽曲群は、本人いわく〈偉大なる作曲家へのトリビュート〉だそう。レコーディングにはゴードン・トラックスフェニックスのトマの変名)やコナン・モカシンらも参加。グールドの肉声をサンプリングした“Glenn”は、ジョルジオ・モロダーの語りをフィーチャーしたダフト・パンクのあの曲を連想させますね。