気の置けない友人のように自然体でそばにいて、信頼できる音楽がある。シンプルで迷いのない美しい旋律がここにある。人気ピアニスト、ヘニング・シュミートの最新作は、なんだか“最新”という言葉に違和感すらおぼえるくらい普遍的で耳馴染みが良くどこか懐かしささえ感じる。編曲家やコンサートのディレクション、舞台・映画音楽制作など今やその活躍は多岐に渡るが、確固たる意志をもって奏でられるソロ・ピアノへのゆるぎない信念と愛情は他のアーティストが到底及ぶことは出来ない。ジャズやクラシックなどジャンルの垣根を越えて愛される稀有な音楽家の瑞々しいタッチが優しく包み込んでくれる。