INTERVIEW

波乱に富んだ人生駆け抜けてきたカーボヴェルデの新歌姫、エリーダ・アルメイダが語る初作『歌わずにはいられない』

(C)Lawson Daku

 

笑顔も涙も包み込む カーボヴェルデに新しい歌姫誕生

 セネガルの沖合500kmにある島国カーボヴェルデ共和国。エリーダ・アルメイダは、アフリカの影響が強いソヴェント諸島のサンティアゴ島の出身だ。同郷の先輩シンガー・ソングライターの一人としては、チェカTcheka)がいる。

 「チェカは漁村、私は農村という違いはあるけど、未だに電気が通っていない貧しい地域という点では同じです。子供の頃、音楽は電池式のラジオで親しんでいました。当時の私にとってもっとも身近な音楽は、地元のバトゥーケとフナナーでした。子供の頃は、学校の宿題や家事を終えた後、近所の友だちと一緒によくフナナーを歌っていました。また、子供の頃は結婚パーティで耳にした音楽も好きでした。後から分かったことですけど、それはコンゴの音楽で、特にギターの音色とリズムに惹かれました。だから《あなたに夢中》と《私たちの素晴らしい宝物》には、コンゴのスークース風のギターが入ってます」

ELIDA ALMEIDA 歌わずにはいられない RESPECT RECORD(2015)

 エリーダは幼い頃に父を亡くし、母親の行商を手伝う傍ら、マイオ島の教会で賛美歌を歌うようになり、本格的に音楽に目覚めた。そして高校在学中から曲を作り始めたが、ほぼ同じ頃の16歳で妊娠し、やがてシングル・マザーになった。エリーダはまだ22歳だが、このようにフルアクセルで波乱に富んだ人生を駆け抜けてきた。ファースト・アルバム『歌わずにはいられない』の原題『Ora Doci Ora Margos』は、“幸せな時、辛い時”という意味だ。

 「子供の頃は、自分が曲を作って歌うような人間になるとは全く思っていませんでした。でも、《17歳のバラード》の歌詞にあるように、子供の頃から文章を書くことは好きでした。私の曲は自分が体験したさまざまな事柄がモチーフになっているし、その体験が曲作りの原動力になってきたことも事実です。私は現在もカーボヴェルデで暮らしているので、これからも地元の伝統音楽を大切にしていきたいと思ってます。けれど、同時にポルトガルやブラジル、アフリカの音楽、ブルースなどにも影響を受けているので、そうした要素をミックスした音楽を作っていきたい。私は21世紀の若者の一人ですから」

 こんな現代っ子のエリーダは、カエターノ・ヴェローゾに憧れているという。

 「実は、彼のインスタグラムをフォローしている(笑)。 でも、会ったこともなければ、歌っている姿を生で観たことすらありません。できることなら一度会いたいけど、実際に会ったら、何も話せないような気がする。それと生きている間にリオデジャネイロに行きたい。コルコバードのキリスト像を観てみたいから」

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