What Do You Mean?
私は私の道を進むわ! ありのままの自分を表現するために、さらなる輝きを手に入れるために、縛りの多いお城を飛び出したポップ・プリンセス。恋の痛手も糧にして、セレーナ・ゴメスはいま大空へ羽ばたこうとしている!!

 

優等生の通過儀礼

 安心してください、穿いてますよ!と言われなくても、全裸じゃないのは見えてますよ……とジャケにツッコミを入れたくなる人も多いはずだ(?)。ただ、同じディズニー・チャンネル出身で人気者になったマイリー先輩が本当に穿いてなかったりしてしまうのと比べれば、ここでのセレーナの振る舞いは、ポップスターにとっての欠かせない通過儀礼としての〈脱皮〉や〈成長〉を示すものであって、いかにもな表題を冠された『Revival』の中身に対しての印象も予想をそれほど覆すほどのものではない。

SELENA GOMEZ Revival Interscope/ユニバーサル(2015)

 もっとも、それが悪い意味ではないということは強調しておかないといけないだろう。制作陣は飛躍の第一歩となった前作『Stars Dance』(2013年)の体制を受け継いで馴染みのロック・マフィアスターゲイトを起用しつつ、今回はセレーナ自身が曲作りの段階から深く関与している。そこに売れっ子のヒット・ボーイベニー・ブランコも加えて結果的にリアーナケイティにも通じるポップなエッジを立て、グッとアダルトでスウィートな感触を獲得。怒りを込めて過去を顧みる“Same Old Love”やダメな恋を歌った“Sober”があり、〈彼女の口紅の味がする〉と諦念を込める“Perfect”など、下世話な興味をそそるカードの切り方はテイラー・スウィフトあたりのやり口に倣ったものかもしれない。時流に歯向かわないサウンドの方向性も、新たな野心を過不足なく伝えてくれるものだ。そうして考えてみれば、名前の由来となった伝説的なテハーナの先達と並ぶ年齢にまで成長してきたセレーナ。ここからの歩みは自身が選び取っていくことになるわけで、間違いなくキャリアのターニングポイントとなるだろう一作だ。 *出嶌孝次

 

いい子でなんかいられない!

 昨年のベスト盤『For You』をもってハリウッドとの契約を満了したセレーナ・ゴメスが、いよいよ本格的に脱グッド・ガール宣言! いままでご法度だったセクシャルな表現も飛び出すこのセカンド・ソロ・アルバム『Revival』は、2013年作『Stars Dance』や、恋仲も噂されたゼッド“I Want You To Know”への客演でモノにしたダンス路線をより推し進め、エキゾティックに迫るアーバン・メレンゲ“Body Heat”、リアーナ“We Found Love”の続きを描くようにホープレスな恋愛に落とし前をつけた“Kill Em With Kindness”などでフロアと直結。そうしたEDM以降のアゲなフィールを放出しつつ、エイサップ・ロッキーとのコンビネーションほか、ここにはベッドルーム感覚のR&Bでゆったりと横に揺らしてくれる場面も登場します。なんでもFKAツイッグスバンクスらを参照したそうですが、だからといって彼女たちみたいにアーティスティックな近寄り難さはなく、あえて例を挙げるとティナーシェ寄り。そんな〈ポップであること〉への誠実な姿勢/人懐っこさはセレーナの大きな魅力というか、天性の才なのでしょう。もしかしたら、古くからのファンのなかには前作での急なイメチェンに戸惑いを覚えた方もいるかもしれません。だけど、もう心の準備は十分にできたはず。後ろを振り返ることなく、胸を張って新たな歌手人生を歩き出したセレーナに、みんなで盛大な拍手を送ろうじゃありませんか! *山西絵美