アヴァンで心地良い意匠はテクニカラーならではの重厚さ! トリロジー・テープスというレーベルにEPを残す謎の男のスペイシーにしてディープな初のフル・アルバムは、覆面の奥の正体をわざわざ記すのもヤボに思えてくるほど、記名性の高いサウンドでどんよりと覆われている。スクリューからドローンにまで至る深遠なアンビエント・ベースは不気味なジャケに通じる雰囲気を帯びつつ、逆に突き抜けた清々しさも内包している。