オーキッド・テープスから発表した2014年作『DSU』が評判を呼び、それと前後して、ライアン・ヘムズワースのアルバムに参加したり、カタログが一斉にリイシューされたりと、上昇気流に乗るフィラデルフィア生まれの男性ベッドルーム・ポッパー。注目の新作は名門ドミノからのリリースということで、さぞかし気合いを入れて臨んでいるのかと思いきや、これまで通りの脱力ぶりで聴いているこちらが拍子抜けしてしまったほどだ。アコギの瑞々しい音色とエリオット・スミスの影がよぎる繊細なヴォーカル、ザラついた質感の環境音やガチャガチャとしたウワ音が彩る、まったりとしたフォーキーな世界。ムシ声を使った“Bug”での無垢な感じとか、ホント泣けてくるくらい最高です。