休日返上で音作りに勤しむネズミの成果がこれだ!
前年の自主制作盤“baby's star jam”と〈RAW LIFE〉出演で名を上げた彼の初作。チベット民謡などの歌声をカットアップしたエスニックなメロディーと躁的なブレイクビーツが生む不思議な郷愁は、DE DE MOUSEの原点にして以降の作品に通底するものか。
初作のヒットを受けてわずか半年で届けられたミニ・アルバムには、メロウな星屑シンセにパーカッシヴなビートが絡む表題曲や、“baby's star jam”をみずから引用した“tide ride baby”などを収録。CHERRYBOY FUNCTIONのミニマルなリミックスも良い!
メジャーに籍を移しての2作目は、ビートは抑えめに全編でベッタリとしたシンセが鳴り響く、グッとメロディー・コンシャスな作りに。本人もスーパーマーケットでかかるような音楽を意識したそうで、いま聴くとヴェイパーウェイヴっぽいところも?
いまや盟友のYMCKと共に、往年のニュー・ミュージック名曲のカヴァーに挑戦したスプリット盤。キラキラしたシンセのメランコリックな音色が懐かしのメロディーにマッチしていて、なかでもコトリンゴを迎えた大貫妙子“メトロポリタン美術館”が絶品!
『sunset girls』収録曲のWorld's End Girlfriendやゴー!チームらによるリミックス集にライヴDVDをパッケージした企画盤。CDには祭り囃子風のリズムが切なく響く“last boy dance(and you)”など、黄昏時を感じさせる初出の3曲も収録。
『farewell holiday!』と同じく吉田明彦のイラストがジャケットを飾る3作目。スクエアプッシャーへのオマージュとも取れるドリルンベース調の“journey to freedom”など、アグレッシヴさを取り戻したビートでパレードを誘導する賑やかな内容に。
自身のレーベルからの第一弾作品となるミニ・アルバムで、後に盆踊りアレンジ版も制作された“firework girl”や、初めて意味の読み取れる歌詞が付いた“murmur on my foot”といった重要曲を収録。漫画家のさべあのまによるアートワークも秀逸だ。
自身の執筆による短編小説を封入するなど、パーソナルな色を強めた4作目。初期からの一貫したテーマである〈郊外の景色に合うBGM〉により焦点を合わせ、冬の空気を思わせる透き通った質感のサウンドで穏やかな景色を描いていく美しい一枚。
『faraway girl』と同様に当初はライヴ会場限定で入手できたミニ・アルバム。2012年に行われたプラネタリウム・ツアーのタイトルを冠しており、幻想的な楽曲群はまるで夜空に瞬く星の如し。彼のカタログのなかでもロマンティック度の高い作品だ。
ツイン・ドラムをフィーチャーしたライヴ編成時の名義による初音源作品。Jimanicaと山本晃紀(LITE)という凄腕ドラマーの鬼気迫る演奏とアーメン・ブレイクが重なり合う圧巻の表題曲に、“sky was dark”のリミックスを加えた2曲入り。
彼が青春時代を過ごした90年代のダンス・ミュージックへの愛情が詰め込まれたEP。変態アシッド“satan disco 999”やタイトルそのままの“rave 93”、アンビエント・ワークス風の“suburban acid”など、エイフェックス・チルドレンぶりがモロに出ていて最高!
“tide of stars”“east end girl”といった人気曲の本人によるリエディット版をまとめたEPで、いずれもライヴでの披露時と同じくアップ・リフティングなフロア仕様になっているのが特徴。キャッチーさは随一なので、これからDE DE MOUSEの音世界に足を踏み入れようとしている人の入り口としてもオススメ。