キューバのバンド、ロス・バン・バンの初期の音源、ドラマー/パーカッショニストのチャンギートが加わった頃の音源がコンパイルされた。ここにはキューヴァン・ファンク“ソンゴ”の黎明、キューバ音楽に本格的に移入されたドラムの生み出すグルーヴがぎっしり詰まってる。ディープ・ルンバのメンバーとして来日したときに、テインバレスを叩くチャンギートにエル・ネグロ・エルナンデスがドラムの席を譲ろうとした瞬間を思い出す。チャンギートのこのソンゴなくして、エル・ネグロのディープ・ルンバは存在しなかった。日本のジャズにはいまだ、このようなグルーブの衝撃は、どこにも記録されていなのではないだろうか。