J-Popの新潮流!? 水曜日のカンパネラとその向こうに広がる〈ジパング・ポップ〉の波!
〈ポップス〉に決まり事はないことを前提としつつ、例えばきゃりーぱみゅぱみゅやももいろクローバーZのように、個性的なキャラクターや音楽性とポップ・アイコンとしての〈女の子〉をフックに活躍の場を広げるアクトの目立つ昨今。ともすれば〈サブカル〉や〈アイドル〉といった枠に押し込められがちな彼女たちは、他でもない〈ポップス〉としての魅力を持つがゆえに支持を得ているのでしょう。水曜日のカンパネラもまたそこに連なる存在のはず。ここでは、そんなフィーリングを持つアーティストたちの作品を、水カンの新作にあやかって〈ジパング・ポップ〉と謳い、紹介しますよ! *bounce編集部
NOKKOのニュー・アルバムに大抜擢されたばかりの1MC+1DJ。現役OLならではの視点でしたためられた辛口のリリックは、 The LASTTRAKやakinyan electroことnagomu tamakiらがトラックを提供した本作でも毒々しく光っています。年末にはミュージカル・ライヴを控えるなど、まだまだ引き出しは多そう。
非常階段とコラボしたり主演映画が作られたり、メンバーがグッバイフジヤマやLLLLの作品に参加したりと躍進著しい6人組。ハシダカズマ(箱庭の室内楽)を中心にナカコーやハヤシ(POLYSICS)、後藤まりこも楽曲を提供したこのニュー・アルバムでさらに人気を高めそう!
映画「テラスハウス クロージング・ドア」の挿入歌に起用されるなど、ウィスパー調のメランコリックな語り口で支持を広げる彼女は、コムアイと同様にラップ表現の新たな可能性を示す存在かも。なお、本EPの表題曲のMVを大島智子と共作した藤代雄一朗は、“シャクシャイン”や“千利休”など水カンのMVも多数手掛けています。
ベースメント・ジャックスとコラボするなど、いまや〈ももクロの妹分〉という惹句も必要ないほどの成長を見せる名古屋発の6人娘。このミニ・アルバムでもCharisma.comやバクバクドキンのメンバー、ケラ(!)らを制作陣に迎え、無邪気に遊ぶ様が堂に入ってます。
初の日本武道館ワンマンを12月に控える5人組バンド。プログレッシヴな音楽性もさることながら、紅一点となる大胡田なつき(ヴォーカル)のシュールなユーモアを伴った詞世界、アートワークやMVなどで発揮されるポップなヴィジュアル・センスをギミックに名を上げているところが、水カンと共鳴するように思えたり。
読者モデルとして人気を集めるなか、中田ヤスタカのプロデュースで歌手デビューと、事務所の先輩であるきゃりーぱみゅぱみゅと同じ道を歩む彼女。オンザ眉毛のぱっつん前髪という見た目のキャッチーさに加え、ちょっぴり悪ノリなMVなど、トリックスター的な魅力も備えていて、次はどんな一手を打つのかも楽しみ!
どこかミステリアスな雰囲気を湛えた大阪発のガールズ・デュオ。生演奏によるトランシーなサウンドと知的な匂いを漂わせる詞世界はこの最新作でも健在で、なかでも少しポエトリー調の“QとA”におけるイメージの奔流は、それぞれの言葉の意味が融解していくような感覚を味わえて中毒性高し!
ケンモチと同じくhydeoutに作品を残すトラックメイカーのJEMAPURと、シンガーのYukiによる男女デュオ。どこかユーモラスな雰囲気を持つ水カンに対し、こちらはアトモスフェリックな音像に気怠げな歌声を浮かべたクールなサウンドが魅力です。
水カンとはコラボ曲“金曜日の花魁”で縁のある、カワムラユキがプロデュースするレーベルのコンピ。注目すべきは〈芸術家アイドル・ユニット〉を自称するコスプレ女子2人組のナマコプリで、TAICHI MASTER製のトラップ・ビート上でキャッキャとはしゃぐ姿がとにかくキュートな逸材!
名古屋のシンセ・ポップ・バンドが楽曲ごとにゲストを迎えた本EPには、Negiccoや仮谷せいらに加え、水カンの『トライアスロン』に参加したOBKR率いるTokyo Recordingsより、女性シンガーの綿めぐみも登板。儚さを感じさせる甘い歌声は、まだ全国CDデビュー前ながら注目を集めていますよ!
元禁断の多数決のゆめ(ヴォーカル/サンプラー)、元BabypinkTabletのキーコ(ラップ/キーボード)、ぐしゃ人間/猛毒の亀(ギター)によるガールズ・バンド。パンキッシュな演奏に〈ただ住んでるだけ!〉の連呼で終わる表題曲など、ある意味投げっぱなしな作風は水カンに通じるかも?
禁断の多数決のリミックスもこなすユニットと、箱レコォズからの作品も記憶に新しいガールズ・グループのメンバーによる共演盤。ぬるめの演奏に高音ハーモニーが映えるインディー・ポップな仕上がりで、こういった交配が次の夜明けをもたらすはず!