ABSの黄金時代

あけましておめでとうございます ~静かな場所に引っ越し、気分はアントニオ・カルロス・ジョビン

 

 みなさん、あけましておめでとうございます。旧年中はブログを読んでいただいてどうもありがとうございました~。今年もどうぞよろしくお願いします。

 個人的な話だが、昨年末に引っ越しをした。以前住んでいたところは、昔はずいぶん落ち着いていていい町だったのに、最近になってどんどん様変わりしてしまい、いい感じの個人商店やイカしてるスポットがことごとくすごいダサいチェーン店や巨大資本に取って代わられて邪悪なものばかりが集うようになり、「もうダメだ。ここは魔界都市だ」ということで出ていくことにしたのだ。

(住んでいたのは新宿ではないです)

 

 もっと言うと、町の中心だけでなくて自分の家のまわりも、なんというかすごいよくないバイブスが漂ってる感じで、ちょっと雰囲気が悪かった。病院の裏手らへんに住んでいたんだけどその病院はヤブで有名だった。近所の交差点は、道路を挟んで両側に除霊所と降霊占いの施設(お店? 看板が出ていた)が建っていて、そこでは何度も事故が起こっていたし、たまに人が倒れているのを見かけたし、霊感とかは特にない自分にもなんかイヤ~な気分にさせるものがあって最悪だったのだ。

 その交差点のところにあるラーメン屋もものすごくマズかったし、その付近では脱法ハーブで暴れる若者も時折発生した。住んでいたアパートは外階段の蛍光灯が切れてもまったく新しいのに取り替えてくれず、そうこうしているうちにどんどん蛍光灯が切れていき、10数個あるうちの2個ぐらいしか生き残っているものがなくなり、夜になると真っ暗になってしまう。ちゃんと管理してくれ~!

 そんな感じで不穏な町から離れて、今度は静かなところに越してきたのだが、その新しい場所は駅からもだいぶ遠くてまわりに公園とか家しかなくて、チルアウト以外何もすることがない。

 

★KLF “Madrugada Eterna”(90年作『Chill Out』収録曲)

 

 なので家にこもってなんかするか散歩するかぐらいしかやることなくなって、すっかりミニマルな暮らしぶりに。野菜の路上販売も利用するようになった。引っ越す直前はケンドリック・ラマーをよく聴いていて荒廃した町のことを想像したりしていたが、こちらにやってきてからはすっかりアントニオ・カルロス・ジョビン

 

★KENDRICK LAMAR “Alright”(2015年作『To Pimp A Butterfly』収録曲)

★ANTONIO CARLOS JOBIM “Meditation”(63年作『The Composer Of Desafinado, Plays』収録曲)

 

 住む場所が人間におよぼす影響はとても大きいと思われますが、憑き物が落ちたかのように静かな台地の上にやって参りましたわたくし、果たして今後どうなっていくのでしょうか。それは乞うご期待ということで、新年も引き続きいい感じのフィーリングで音楽していきたいと思っております。家に帰ればチルアウト、町へ降りればダブワイズ、そんな感じで2016年幕開けっす。なかなか笑えないことの多い世の中ですけど、サバイブしていきましょう。

 それでは皆さん、どうぞ身体にお気をつけなすって。このブログを、ちょうど俺が引っ越したぐらいの時期に自宅スタジオを火事で失った(37年ぶり2度目)リー・ペリーに捧げます。

 

★LEE "SCRATCH" PERRY & MAD PROFESSOR “Madman Dubwise”
(LEE "SCRATCH" PERRYの2008年のベスト盤『Babylon A Fall:The Best Of Lee Perry』収録曲)

【プロフィール】
Alfred Beach Sandal

Alfred Beach Sandal (アルフレッド・ビーチ・サンダル)

2009年に北里彰久(ヴォーカル/ギター)のフリー・フォームなソロ・ユニットとして活動開始。ロックやラテン、ブラック・ミュージックなど、雑多なジャンルをデタラメにコラージュした上に無理矢理ABS印のシールを貼りつけたような唯一無二の音楽性で、真面目に暮らしている。2013年のアルバム『Dead Montano』以降は、岩見継吾(ウッド・ベース)、光永渉(ドラムス)とのトリオ編成を軸として、美学を突き詰め中。

ポール・マッカートニー