〈ネオ・ソウル歌謡シンガー〉なる触れ込みや謎めくアーティスト写真などでいちいち気になるシンガー・ソングライター、入江陽大谷能生をプロデューサーに、OMSB池田智子Shiggy Jr.)らを客演に迎えた昨年の『仕事』も十分に良盤だったが、1月20日リリースのニュー・アルバム『SF』で繰り広げられているキャッチーでちょっぴりストレンジなポップ・ワールドは、〈こ、これは……〉というほど煌びやかで素晴らしい! ホント、“UFO”やら“ふたり”やら名曲の匂いしかしないナンバーが満載なのだ。

入江陽 SF Pヴァイン(2016)

このたびリリック・ビデオが公開された“おひっこし”は、『SF』のなかでも硬派というか前作の流れで聴ける、といった印象の一曲。FKAツイッグスケレラアルカ・ワークスを彷彿とさせるようなアブストラクトな味付けをフィーチャーしつつ、サビで聴かせるブライトなネオ・ソウル・フレイヴァーにはグッときてしまった。独特なリリックも炸裂しており、このトラックに〈回転寿司〉〈ツナマヨネーズ〉なるワードを乗せるセンスも流石!