グラスゴーの名手によるR&S移籍作はほぼ全編に自身の歌声を据えた、インスタレーション・アーティストのフローレンス・トゥーのコラボレーション作だ。フィールド・レコーディングや複雑で微細な電子音と淡い歌声の絡む様子は、『Another Day On Earth』でのイーノアーサー・ラッセルを掛け合わせたような、アカデミックながらも沁みる良曲揃い。テクノじゃないならスルー……ではちょっともったいなさすぎる傑作。