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新作の多彩なアレンジャー陣を、片平里菜からのコメントを交えて紹介!

片平里菜 最高の仕打ち ポニーキャニオン(2016)

【伊澤一葉】
かつて東京事変で活躍し、現在は自身がヴォーカルを務めるあっぱに加え、the HIATUSのメンバーとして2014年作『Keeper Of The Flame』(ユニバーサル)などの近作に参加するキーボーディスト。『最高の仕打ち』では幕開けの“この空を上手に飛ぶには”を編曲。「生の演奏が素晴らしいのはもちろんですが、お人柄に触れてとてもおもしろい方だなぁと驚きました。レコーディング中もタバコを片手にあぐらをかいてピアノと向き合っている姿が印象的で、〈あぁだめだー〉と不服そうな本人の反応とは裏腹に、毎回素晴らしいピアノ……。演奏もキャラも最高です」。 


【石崎光】

渡辺シュンスケと共に結成したcafelonでの活動でも知られる、リッケンバッカーがトレードマークのギタリスト/プロデューサー。近年も吉澤嘉代子の2015年のミニ・アルバム『秘密公園』(e-stretch)をはじめ、堂島孝平さかいゆうRie fuの近作などで腕を振るっており、そのビートルズELOライクなポップセンスは、今回アレンジを担当した“煙たい”“スターター”の2曲でも発揮されています。「“煙たい”の歌録りは3度目の正直で、2日も駄目にしてしまうほどなかなか声の調子が万全でなく、それでも良いものが録れるまで日を改めて徹底して付き合ってくださいました。光さんと対等に音楽のお話ができるようになったら楽しいだろうなぁ……。アレンジ大好きです」。

 

【亀田誠治】
80年代から活躍するプロデューサー/ベーシストで、2014年にはflumpoolのメンバーと共にTHE TURTLES JAPANを結成したことが話題に。最近だけでも高橋優赤い公園GLIM SPANKYなど多数のアーティストを手掛け、なかでも大原櫻子は2014年のデビューから2015年の最新シングル“キミを忘れないよ”(ビクター)までのほぼ全作に関わっています。片平とは2014年のシングル“Oh JANE”に続いてのタッグで、パンチの効いたロックンロール“BAD GIRL”を豪快に調理。「亀田さんと初めてお会いしたのはなぜか福島。どうしても音楽プロデューサーという肩書き(のイメージ)が先行していたので、お会いしてみてとてもチャーミングな方で驚きました。今回も“BAD GIRL”というツワモノを亀田さんテイストで料理していただきました。レコーディングはセッション一発録り、スリリングでした!」。

 

【cinema staff】
2015年の最新EP『SOLUTION E.P.』(ポニーキャニオン)で攻撃的なギター・ロックを提示した4人組とは今回が初対面。上京したての不安な心情を綴った“大人になれなくて”の編曲/演奏を担当し、風通しの良い爽やかなバンド・アンサンブルで主役の瑞々しさを際立たせています。「同じレーベル、同じ制作チームということで、いつ共作ができるのかとタイミングを見計らっていましたが、やっと! バンドというものに憧れながらもソロとして気張ってやってきましたが、今回cinema staffというバンドを間近で体感して、やっぱりバンドって良いなぁ……と(笑)」。

 

【島田昌典】
いきものがかりJUJUback numberら数々のヒット曲を手掛けるプロデューサーで、直近では昨年にメジャー・デビューしたGoodbye holidayのニュー・アルバム『with YOU』(avex trax)に関与。その感傷的なサウンドメイクは、先行シングルとなった今回の“この涙を知らない”でも貫かれています。「デビュー曲“夏の夜”や“女の子は泣かない”ぶりでお願いすることができてとても嬉しいです! 島田さんの楽曲にはいつもイントロから掴まれてしまいます。“この涙を知らない”は失恋のバラード曲。去年はレコーディングだけでなくラジオやライヴでセッションすることが何度かあって感動しました……」。

 

【SCANDAL】
ダンサブルな2015年のシングル“Sisters”(エピック)に続き、3月にはニュー・アルバム『YELLOW』のリリースを控える4人組ガールズ・バンド。片平との初コラボとなる“Party”では、ガッツ溢れる力強い演奏で主役を盛り立てています。「性別なんてどうでもいいことなのだけれど、女の子5人で作り上げたこの曲は私のアルバムのなかでも最速、堂々と骨太でロックな曲となりました。今回ご一緒させてもらって、SCANDALというバンドに惚れました。バンドに混ざらせてくれて本当にありがとうございました! いつかライヴも一緒に!」。

 

【須長和広】
ジャズ・クァルテットのquasimode(現在は活動休止)に在籍する傍ら、プレイヤーとしても幅広く活躍するベーシスト。2015年の初ソロ・アルバム『MIRROR』(ユニバーサル)では自身の歌も織り交ぜてジャズ経由の柔らかなポップスを紡いで見せましたが、片平との“舟漕ぐ人”はその延長線上にあるサウンドに。「何度かレコーディングでも演奏してもらっていたのですが、去年にリリースされたソロ・アルバムを聴いてとても素敵な作品だったのでお声掛けさせてもらいました。ナチュラルな音が合わさって繊細で優雅な楽曲にしていただきとても気に入っています。いつも須長さんの爽やかな笑顔に癒されています!」。

 

【Babi】
クラシックなどの素養を下地とする多重録音を駆使したカラフルな作風で知られ、2013年作『Botanical』(noble)などを残す音楽家。今回アレンジで携わった“そんなふうに愛することができる?”では、音数を絞ったエレクトロニカ調の繊細なサウンドで、不思議な浮遊感のある楽曲に仕立てています。「この曲はアルバムの鍵となる曲にしたいと思っていて、ポップなものとしてではなく、水面下の異世界に連れて行ってくれるような楽曲にしたいと思っていました。Babiさんと(の作業)は今回が初めてで、私の思いや曲のメッセージをひとつずつ丁寧に汲んでくださる素敵な女性でした。ひんやりとした街と鼓動、音での表現力に感銘を受けました。またぜひよろしくお願いします!」。

 

【ミト】
昨年に結成20周年を飾る『triology』(コロムビア)を発表したクラムボンをはじめ、ソロを含む多数のプロジェクトやベーシスト/プロデューサー/作曲家として活動の場を広げる彼は、ピアノを中心とした煌びやかなバンド・サウンドがロマンティックに弾む“Love takes time”を編曲。「ミトさんにアレンジしていただいて、自分にとってまた新しいジャンルに挑戦することができました! ミトさんのベースと柏倉(隆史)さんのドラム、リズム隊が歌を生き生きと輝かせてくれる魔法のような曲になりました。次はぜひヴォーカル・ディレクションもお願いします!」。

 

【安野勇太】
2014年作『Where The Light Remains』(IKKI NOT DEAD)以来の新作も待ち遠しいHAWAIIAN6のフロントマンとしてメロコア・シーンを突っ走る一方、最近では声優の佐藤聡美などに楽曲を提供する彼。アルバム表題曲となる“最高の仕打ち”にて会心のギター・プレイを披露しています。「1年前からバンド・アレンジで進めてきた“最高の仕打ち”、最終的に勇太さんのギターと私の歌のみのレコーディングとなりました。手がつりそうになりながらも勇太さんにしか弾けないであろう激ムズなコードを何度も……。アルバムの核となるこの曲を一発録りで最高の曲として世に送り出せることを幸せに思います」。