燻し銀のヴォーカルを誇るUKシンガーの6作目。いままでもオールド・ソウル趣味を小出しにしてきたレマーながら、今回はカヴァー中心に全編ソウル愛を迸らせた会心の一枚だ。デビュー作でもアル・グリーンを取り上げていたが、ここでの“Love And Happiness”の熱のこもった歌いようは過去最高。サム・クック“Bring It On Home To Me”やブルース・ブラザーズで有名な“Gimme Some Lovin”も、あえて本家に寄せず、彼なりの憧憬をぶつける情熱的な歌い込みに思わずこちらも熱くなる。ジョニ・ミッチェルらを手掛けた名匠ラリー・クラインの関わったヴィンテージな音像も隙がないし、ソウル・レジェンドたちから受けとった〈手紙〉に満を持して返答した……と言いたいオリジナルの表題曲も抜群だ。