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ジェフ・バックリー『You And I』と並べて聴きたい作品たち

SUFJAN STEVENS Carrie & Lowell Asthmatic Kitty/HOSTESS(2015)

統合失調症の母と義理の父との複雑な家族関係をテーマにしたという、彼のプライヴェートが赤裸々に反映された一枚。ここで描かれている心の痛みに、『Grace』と通じるものを感じたよ。もっと脳天気にUSルーツを探求する人かと思っていたけど、僕の講義で使いたいほど文学的な傑作だね。 *新馬場

 

NOTHING BUT THIEVES Nothing But Thieves RCA/ソニー(2015)

昨年に大きな注目を浴びたこのUKの新人バンドも、やっぱり内省的な雰囲気が身上だよな。インテリなサウンドは初期のレディオヘッドっぽくもあるけど、同じくらいジェフへのシンパシーも感じられるぜ。ちなみにトム・ヨークもジェフの歌声に感銘を受けて泣いたことがあるとか。 *鮫洲

 

ELLIOTT SMITH Roman Candle Kill Rock Stars(1994)

ジェフとほぼ同時期にソロ・デビューを果たしたエリオット・スミスも僕には忘れ難いシンガー。ジェフに比べたら頼りないヴォーカルだし、サウンドも宅録でチープだけれど、オルタナ世代らしい内向的な批評精神は共通しているね。不慮の死を遂げたのも、2人がオーヴァーラップする一因かな。 *新馬場

 

JUSTIN NOZUKA Ulysses Glassnote(2014)

それまでのフォーキーな印象とは異なり、全編がアンビエントインディーR&Bテイストに彩られた3作目ね。ストイックな音のなかから浮かぶ主役のハスキー・ヴォイスに、ジェフのイメージを重ねてしまうわ。そう考えるとウィークエンドドレイクにもジェフの影が見い出せるかもしれないわね。 *アンジン

 

ADELE 25 XL/HOSTESS(2015)

「気分を上げてくれる音楽を聴くようにしても、そういうものとはあまり心が通わない」とインタヴューで語っているアデルの身の周りには、いつもジェフの『Grace』があったそうよ。激しいエモーションの奥底に静かなダークネスを秘めた非凡なヴォーカリストという点で、確かに2人の資質はとても近いと思うわ。 *アンジン