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ジェフ・バックリー『You And I』と並べて聴きたい作品たち
統合失調症の母と義理の父との複雑な家族関係をテーマにしたという、彼のプライヴェートが赤裸々に反映された一枚。ここで描かれている心の痛みに、『Grace』と通じるものを感じたよ。もっと脳天気にUSルーツを探求する人かと思っていたけど、僕の講義で使いたいほど文学的な傑作だね。 *新馬場
昨年に大きな注目を浴びたこのUKの新人バンドも、やっぱり内省的な雰囲気が身上だよな。インテリなサウンドは初期のレディオヘッドっぽくもあるけど、同じくらいジェフへのシンパシーも感じられるぜ。ちなみにトム・ヨークもジェフの歌声に感銘を受けて泣いたことがあるとか。 *鮫洲
ジェフとほぼ同時期にソロ・デビューを果たしたエリオット・スミスも僕には忘れ難いシンガー。ジェフに比べたら頼りないヴォーカルだし、サウンドも宅録でチープだけれど、オルタナ世代らしい内向的な批評精神は共通しているね。不慮の死を遂げたのも、2人がオーヴァーラップする一因かな。 *新馬場
それまでのフォーキーな印象とは異なり、全編がアンビエントなインディーR&Bテイストに彩られた3作目ね。ストイックな音のなかから浮かぶ主役のハスキー・ヴォイスに、ジェフのイメージを重ねてしまうわ。そう考えるとウィークエンドやドレイクにもジェフの影が見い出せるかもしれないわね。 *アンジン
「気分を上げてくれる音楽を聴くようにしても、そういうものとはあまり心が通わない」とインタヴューで語っているアデルの身の周りには、いつもジェフの『Grace』があったそうよ。激しいエモーションの奥底に静かなダークネスを秘めた非凡なヴォーカリストという点で、確かに2人の資質はとても近いと思うわ。 *アンジン