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後世に定番を残したBTエクスプレスらのリサイクル

 ロードショウの……というか著名なリサイクルの多くはBTエクスプレスのもので、しかもその人気は初作からの数曲に集中している。特に“Do It('Til You're Satisfied)”のブレイクビーツ人気は突出しており、DMXの“Get At Me Dog”やビヨンセ“Deja Vu”、スヌープ“Gangsta Luv”のようなコマーシャル・ヒットのボトムを支えてきたほか、J・ディラ製のフランク&ダンク曲やフライング・ロータスも用いたことがある超定番ネタだ。

 また、“If It Don't Turn You On(You Oughta Leave It Alone)”の涼やかなギターもジャネット“That's The Way Love Goes”やSWV“Use Your Heart”などに使われ、聴けばわかる級の人気ネタに違いない。

 初作以外のBTネタでは“Still Good - Still Like It”がEPMD“Rampage”の推進力に寄与するなどしているが、以降のディスコ・ナンバーは、いわゆるダンス・クラシックとしての価値に相応するガラージ~ハウス文脈での評価も重要である。

 また、BTと並ぶ看板アクトだったエンチャントメントなら、ジェシ・パウエルによる“Gloria”とミッシェレイの“Silly Love Song”という2大カヴァーが双璧。後者を用いたリック・ロス“Super High”や、“Angel In My Life”を用いたジョー・バドゥンの同名曲など、ドリーミーで甘くメロウなネタ使いが目立つのも特徴だろう。 *出嶌孝次