リヴィングストン・テイラー『3-Way Mirror』と並べて聴きたい作品たち

NICK DECARO Italian Graffiti Blue Thumb/MCA(1974)

〈大人のためのロック〉と言うべきAORの扉を開いた記念碑的な名作だ。ジャズやソウル的な要素のさり気ない採り入れ方といい、抑制を利かせたソフトなヴォーカルといい、押し付けがましくないのに不思議なほど心に残る作風は、『3-Way Mirror』の雛形とも表現できそうだよな。 *鮫洲

 

スカート CALL KAKUBARHYTHM(2016)

私たちと同世代のシティー・ポップ系アーティストのなかでも、とりわけスカート澤部さんは『3-Way Mirror』に強く影響を受けているんじゃないかしら。なぜならこの最新作では流麗なストリングスがとても印象的ですし、ポップで明るいメロディーに切なさを忍ばせるテクニックからも近いものを感じますわ。 *梅屋敷

 

ED GREENE Greene Machine Light Mellow/Pヴァイン(2016)

『3-Way Mirror』にも参加している名セッション・ドラマーが、今年リリースした初のリーダー・アルバムよ。白人とは思えないほどのブラック・フィールなグルーヴも聴きどころだけど、自身が歌うヴォーカル曲のソフト・メロウな軽やかさこそ、ウェストコーストならではの魅力ね。 *アンジン

※試聴はこちら

 

GABRIEL TAJEU Southern Skies SWEET SOUL(2016)

〈ポスト・ジョン・メイヤー〉とも喧伝されているけど、私に言わせりゃ〈ポスト・リヴ〉だね、にゃはは。ソウルとフォークを基調に、カントリーやジャズっぽさも含んだ音楽性と、人柄の滲み出たようなジェントル・ヴォイスがイイ感じ。この洒脱なサウンドにあと少しだけ朴訥さが加わったら完璧! *雑色

 

BAND OF HORSES Why Are You OK Caroline/HOSTESS(2016)

現代アメリカン・ロックのド真ん中を突き進む連中だな。バンド・アンサンブルに重きを置いているので、リヴとダイレクトに繋がるサウンドってわけじゃないが、紡がれるメロディーの美しさと繊細なリリックは相通じているぜ。彼らのファンならば騙されたと思ってリヴを聴いてみな。 *鮫洲