ゴッタ煮な『GOTTA-NI』に投げ込まれている、その中身で溶け合う食材たち
〈踊れるビッグバンド・サウンド〉にこだわってボーダレスに活動してきた彼らが、結成10周年を迎えて放ったサード・アルバムにして最新作。拡張していた視点を改めて〈ジャズ〉にフォーカスし、賑々しくカッコ良い演奏を伊達に響き渡らせている。ライヴ録音だった初作収録曲のスタジオ再録も実現。
人気ジャズ・シンガーが得意のジャイヴやジャンプ、スウィング・ナンバーに取り組み、ダンサブルでキュートな雰囲気を楽しくラッピングしたアルバムだ。GFJBが5曲の演奏を任されたほか、そのコーラス隊を務めるトリオのGentle Forest Sistersもドゥワップ曲に登場。ハッピーな空気で聴かせる。
俳優としても大活躍中の浜野謙太がフロントを務めるディープ・ファンク集団で、メンバーにはGFJBのジェントル久保田(トロンボーン)と村上基(トランペット)も名を連ねている。この最新アルバムでは楽天的で陽気さを増した歌を、文字通り“縁の下の力持ち”としてグルーヴィーに援護。
KAKUBARHYTHM仲間を縁とする二階堂とのコラボレーション“はじまりのうた”を収録。もともとは2014年にMU-STAR GROUP名義の7インチで発表していた音源で、ドリーミーなビートメイクの意匠に対して二階堂も雰囲気のある素晴らしい歌声で応じている。ヴァーサタイルな対応力を窺わせる好演だ。
この時点ではGFJBのレーベルメイトでもあったインスト・バンドが、楽曲ごとに名うてのプレイヤーたちを迎えて共作/共演した企画盤で、久保田と村上は在日ファンクホーンズとして“Tonight”に参加。同様の試みとしては、東京カランコロンからRIP SLYMEまで多様なフィールドでのコラボを経験済みだ。
スピッツや岸田繁、BRAHMAN、大森靖子、七尾旅人、仲井戸麗市ら個性的な歌い手が集った興味深いトリビュート盤だ。二階堂が取り上げたのは、阪神淡路大震災を題材とした名曲“満月の夕”。シンプルな演奏に乗せて言葉を慈しむように切々と歌唱している。
今年の5月5日にサンリオピューロランドにて開催されたイヴェント〈KIDS DAY〉のテーマソング用に高木完がプロデュースした、企画バンドのシングル。ヴォーカルを務める二階堂のほか、Bose、小山田圭吾、大野由美子、ASA-CHANGという豪華な顔ぶれが集結している。CD盤はタワレコ限定リリース!