ボブ・ディランの『The Real Royal Albert Hall 1966』と並べて聴きたい作品たち

BOB DYLAN Fallen Angels Columbia/ソニー(2016)

2015年の『Shadows In The Night』に続くスタンダード集です。ノーベル文学賞を獲ったことでも周知の通り、ディランは深遠な歌詞が何にも増して評価されているわけですが、その作詞家としての才能を封印してヴォーカリストに徹した潔さたるや。無論、歌手としても超一流なことが本作で証明されていますぞ。 *戸部

 

欅坂46 世界には愛しかない ソニー(2016)

ノーベル賞のニュース以降、このシングルのカップリングに収録されたゆいちゃんず“ボブディランは返さない”がネットで話題になったよね。元カレから借りたディランのアルバムには思い出がたくさん詰まっていて……といった内容の歌詞が、昭和のフォーク歌謡みたいな音に乗って切なく響いてるよ。 *逸見

 

THE BAND The Last Waltz: 40th Anniversary Edition Warner Bros.(2016)

ディランと共闘したロイヤル・アルバート・ホール公演からちょうど10年後に行われ、78年にパッケージ化された、言わずと知れたザ・バンドの伝説的なラスト・ライヴですぞ。40周年を記念して最新リマスタリングが施されたこの2枚組でも、注目はディランとの共演でしょう。 *戸部

 

L.A. SALAMI Dancing With Bad Grammar Sunday Best/BEAT(2016)

ジェイク・バグジェイムズ・ベイを例に出すまでもなく、星の数ほどいるディラン・チルドレンのなかでも、2016年にもっとも飛躍したのはこの男。みずから〈ポスト・モダン・ブルース〉と呼ぶ伝統も革新も備えた音楽性と、ビートニクな歌詞――まさに若き日のディランを思わせるよね。 *逸見

 

BILLIE MARTEN Writing Of Blues And Yellows Club Chess/RCA(2016)

ディランをフェイヴァリットに挙げているだけあって、17歳とは思えないほど渋くてフォーキーな音楽を紡ぐ美少女シンガー。デビュー時のスザンヌ・ヴェガを彷彿とさせる逸材なのに、本作のリリース時に誌面で紹介しなかったbounceはどうかしているよ! *雑色