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イエロー・クロウのギザギザな爪痕と『Los Amsterdam』関連アクトの作品をご紹介

YELLOW CLAW Yellow Claw -Special Japan Edition- avex EDM(2017)

新作のドロップに合わせてリリースされた日本編集盤は2013~15年の定番を集めたベスト・チョイス。出世作『Amsterdam Trap Music』や『Amsterdam Twerk Music』など配信のみだった初期のマッド・ディセント音源を中心に、代名詞的なビッグ・ヒットの“Shotgun”に“Till It Hurts”といったスピニン発のシングル、リミックスなどを加えたもの。粗暴な破壊力にやられながら、その鋭利な爪痕を再確認してほしい。 *出嶌

 

LAIDBACK LUKE Focus Cloud 9(2015)

EDMの源流を作り上げ、ダンス・ミュージック大国オランダの礎となったレイドバック・ルーク。そんな同郷の大先輩による久方ぶりのアルバムに、YCはバロン・ファミリーのダートキャップスを引き連れて表敬訪問。レイヴィーなビッグ・サウンドで大はしゃぎ! *青木

 

VARIOUS ARTISTS OWSLA Worldwide Broadcast OWSLA(2016)

気鋭のプロデューサーを豊富に抱えるOWSLAのCDショウケース第2弾に、YCはサン・ホロとのコラボ曲“Alright”を提供。サン・ホロのドリーミーな感性と、YCのエッジの効いたベース・サウンドが溶け合って生まれる浮遊感は、YCの新作にも通じる部分がある。 *青木

 

YELLOW CLAW Blood For Mercy Mad Decent(2015)

世界中のビッグ・フェスからラヴコールを受ける真っ只中に発表されたこの初のフル・アルバムは、ラウドでヘヴィーなトラップやハードダンスとポップスを威勢良くミックスした代物で、ビルボードのダンス・チャートでは1位を奪取。プッシャT、DJマスタード、タイ・ダラー・サイン、ティエスト、ビーニ・マンほか、大物が並ぶゲストの顔ぶれからも一過性ではない本物の実力を推し量れるだろう。 *青木

 

GTA Good Times Ahead Warner Bros.(2016)

ヴィンス・ステイプルズが参加した本作収録の“Little Bit Of This”をYCがリミックスし、その返礼にGTAはYCの新作で“Hold On To Me”に参加。驚くべきはただの仲良しではなくGTAもマッド・ディセント発信という点。ディプロの繋ぐピープル・トゥリーは広大だ。 *青木

 

ZEDS DEAD Northern Lights Deadbeats(2016)

スピニンで出したオリヴァー・ヘルデンスとの“You Know”で知られるカナダのデュオ。これまた元はマッド・ディセントで注目された人たちで、この初作にはディプロやエリファント、プッシャTも参加。直接の縁はないが、YCと似たルートから生まれた一作だ。 *出嶌

 

DJ SNAKE Encore DJ Snake/Interscope/ユニバーサル(2016)

メランコリックなミディアムを得意とするスネイクと、トラップ/ハードスタイルが十八番のYCは水と油のようだが、両者が交わると楽曲は唯一無二の輝きを放つ。共にヒップホップの影響を受けているだけでなく、躍進のきっかけがマッド・ディセントなら納得。 *青木

 

MIGOS Culture Quality Control/300(2017)

上掲のDJスネイク盤で“Oh Me Oh My”に客演したATL産トリオから、イエロー・クロウの新作にはクアヴォがソロ参戦! EDM経由で肥大化してラッパーの元に還ってきた〈トラップ〉の循環を象徴するパフォーマンスがエグい。このアルバムもやっとCDが出るっぽい! *出嶌

 

VARIOUS ARTISTS The Barong Family Compilation WAKYO(2017)

YC主宰レーベルの音源をまとめた嬉しい日本編集のコンピ。冒頭に収められたYCとマイティフールズによる能天気なヒット曲“No Class”が物語るように、ハード・ストンピンでバンギンな味付けが得意なレーベルだが、フューチャー・ベースやムーンバートンを吸収したチェイス& YCの“Stranger”や、ファウンテイン・オブ・ユースの“Lost Of Life”は、レーベルの新しい方向性を提示した注目曲である。 *青木