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ふたりに今の気分で選ぶオススメ盤を訊いてみたよ!

【KUMI セレクション】

THE LEMON TWIGS Do Hollywood 4AD/Hostess(2016)

 KUMIがまず選んだのは、NYはロングアイランド出身の若き兄弟デュオ、レモン・ツイッグスによる2016年のデビュー作『Do Hollywood』(4AD)。「最近のもので一番好きなのが、このふたり。弟のマイケル君の見た目からして、もうカッコ良くて。ライヴを観たくてしょうがない。〈フジロック〉に出るんだよね!? 絶対観たい!」。

 

SUFJAN STEVENS Carrie & Lowell Asthmatic Kitty/HOSTESS(2015)

 続いてはミシガン州出身のシンガー・ソングライター、スフィアン・スティーヴンスが2015年に発表した『Carrie & Lowell』(Asthmatic Kitty)。「どうやったらあんな空気感が出せるんだろ?って思って。フォークでナマっぽいんだけど、エレクトロな要素もあるし。ミニマルなんだけど、(音響空間が)限りなく埋まっている。あの表現は本当にすごいなって思うね。彼はほかにアコースティックなアルバムもあるし、賑やかなアルバムもあるけど、このちょっと不思議な空気感が大好き」。

 

BOB DYLAN Tempest Columbia(2012)

 そしてもう1枚は、ボブ・ディランが2012年に発表した35作目『Tempest』(Columbia)だ。「彼のアルバムの中でも、これは特に好きなほう。やってることはオーソドックスなんだけど、同時代にこれを聴ける嬉しさがあるよね。昔のディランじゃなくて、今のディランと同じ時代に生きて、同じ空気を吸えてるっていうのは大きいかな。バンドの在り方も、楽器の鳴り方も、すごく良いよね。私たちも近年はこの音の鳴り方を意識しているところがだいぶある。だから今作にはパーカッションもたくさん入れたしね」。

 

【NAOKI セレクション】

AMERICA Hearts Warner Bros.(1975)

 続いてはNAOKIのセレクション。彼が最初に選んだのは、“A Horse With No Name”のビッグ・ヒットで知られるフォーク・ロック・バンド、アメリカの75年作『Hearts』(Warner Bros.)。「アメリカのバンドだけど、結成されたのはイギリスなんですよ。だからブリティッシュ・サウンドの湿っぽさが音楽にある。霧がかかったように感じられる音を出すんです。アメリカ人がどうやったらこんな音を出すようになるんだろ?っていう。このアルバムの“Company”って曲は、彼らがイギリスで培ったメロディーセンスが爆発してて、特に好きですね」。

 

ELIZABETH AND THE CATAPULT The Other Side Of Zero Verve Forecast(2010)

 そして2枚目は、ブルックリン出身のシンガー・ソングライター、エリザベス・ザイマンを中心とするエリザベス&ザ・カタパルトが2010年に発表したセカンド・アルバム『The Other Side Of Zero』(Verve Forecast)。「タワレコでジャケ買いしたんだけど、すごく良いんですよ。このバンドも恐らく自分たちと同じように、〈大きなスタジオじゃないと良い音が録れない〉っていう発想とは違うところにちゃんと行けた人たちなんじゃないかな。自分たちなりのレコーディング・スペースで自分たちなりの良い音っていうのを探して録音してるように感じられるんです」。

 

TOM PETTY Full Moon Fever MCA(1989)

 そして最後の1枚は、トム・ペティの89年作『Full Moon Fever』(MCA)。「トラヴェリング・ウィルベリーズからジェフ・リン、ジョージ・ハリスン、ロイ・オービソンが参加した作品。今回の僕らのアルバムの“You'll Find Out”はこの作品へのオマージュだと思ってます。今聴いても古くないし、読者の皆さんに自信を持ってオススメしたい!」。