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フランスから世界へ、破格の成功を収めた不死鳥の軌跡

PHOENIX United Source/Virgin EMI(2000)

ミレニアムの幕開けを彩ったこのデビュー作には、スティーリー・ダン的なジャズ・ポップやゴスペル風のナンバー、ヴァン・ヘイレン“Jump”のオマージュなどをモリモリと収録。そうした方向性の定まってないところがいま聴くと新鮮だ。ライヴの定番曲“If I Ever Feel Better”はここで聴ける。

 

PHOENIX Alphabetical Source/Virgin EMI(2004)

トニー・ホッファーがプロデュースし、エディ・スリマンがジャケを手掛けた2作目。ディアンジェロ『Voodoo』を意識してピノ・パラディーノにサポートを要請するなど、ネオ・ソウル色を打ち出しているが、フランス人ならではの冷めた視点は拭い去れず、独特のスカした感じがクセになる。

 

PHOENIX It's Never Been Like That Virgin EMI(2006)

トーマスがソフィア・コッポラと交際を始め、バンドとしても〈サマソニ〉に初出演するなど話題の絶えないなか登場したセルフ・プロデュースによるこの3作目は、まさかの純ギター・ロック盤に。ソリッドなアンサンブルとの対比でスウィートな歌メロを鮮明に浮かび上がらせ、してやったり?

 

PHOENIX Wolfgang Amadeus V2/Glassnote(2009)

初作ぶりにフィリップ・ズダールとタッグを組んだグラミー受賞作。前作で体得したロック的なダイナミズムを残しつつ、そこにハウシーなキラキラ感を加えてフェニックス節が完成。フランツ・リスト愛が止まらないオープニング曲などポップ・アンセムが目白押し!

 

PHOENIX Bankrupt! Loyaute/Glassnote(2013)

前作の大成功を受けて引き続きズダールをパートナーに迎えた本作では、ペンタトニックスケールを使うなど異国情緒を猛アピールし、これがまたUSで大ウケ! シンセの比重を増やしたアンサンブルもますます洒脱さを増している。スレイ・ベルズやグリズリー・ベアによるリミックスも話題に。