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メンバーたちの個性が光る、青い果実と共に味わうべき果実たち

 一応〈覆面トリオ〉ということで、インタヴュー本文では伏せ字を入れてみましたが……ここでは関連盤を紹介する都合上、名前が載ってしまいますよ。まず、大半のトラックも手掛けるラッパーのKYNは、SD JUNKSTAの一員として活動しつつ2008年にソロ・デビュー、当時からDJやビートボックスもこなすオールラウンダーとして、マイペースに自作や幅広い外部制作に携わってきました。KOYANMUSIC名義のリーダー作『prelude』(2015年)では、クラシックの素養も活かして自身の演奏でループを創作するなど、音楽家としてなお成長中。近年はSALUやMARIAらにビート提供する傍らエンジニアとして多くの作品に携わり、湯煙beeの初作でもミックスを担当しています。

KOYANMUSIC名義『prelude』収録曲“Clap! featuring MARIA”

 

 一方、METEORは同業者人気の高い奇才のラッパー。SMRYTRPSを経て2004年にはDARTHREIDER × 環ROYとD.M.R.を結成し、Da.Me.Records中心にマイペースな活躍を見せてきました。2009年には名曲“4800日後...”を含むソロ快作『DIAMOND』を自主リリースしていますが、近年は秘密結社MMRを拠点として個性的な才能を見せつけてくれています。

秘密結社MMR『スーパーヒップホッパーズ -幻の巨大魚編-』収録曲“ロキソニン~アダムとイブ~”

 

 そして、比較的ラップ・ファンには馴染みが薄そうなのがシンガー・ソングライターのbutaji。艶のある歌心とソウルフルなフィーリングの光るソロ作『アウトサイド』、入江陽との連名EP『探偵物語』はいずれも評価の高い傑作なので、彼の歌にグッときたらぜひチェックを! *出嶌孝次

butaji『アウトサイド』収録曲“サンデーモーニング”

 

関連盤を紹介。