FIVE NEW OLDと合わせて聴きたい〈One More Drip〉なサウンドたち
80年代の黒いあれこれを現代に甦らせ、王道感を持ってポップに表現するという意味でFIVE NEW OLDと並べたいアーティストはやはりこの人。「“Gold Plate”はクール&ザ・ギャングとか、今で言うブルーノ・マーズの“Chunky”みたいな80年代のディスコ・ファンクがベーシックでした」(HIROSHI)。 *金子
ジャムにおけるパンクからここではブルーアイド・ソウルへ。ポール・ウェラーの歩みはFIVE NEW OLDの歴史と重なるものがあると言えよう。「〈スタイル評議会〉っていうくらいだから〈日常を彩りたい〉っていうテーマとも通じるし、僕らはスタカンを今に再構築してるのかなって」(HIROSHI)。 *金子
シティー・ポップ界隈をはじめ、多方面から評価を受け続けるこの名盤も影響源だ。WATARUは達郎愛用のギターアンプ、SHINOSを今回から使用しているという。「“Dance with Misery”は『RIDE ON TIME』や『FOR YOU』の頃のコンテンポラリーなコード感を入れたらマッチしました」(HIROSHI)。 *金子
アシッド・ジャズな風合いのファンキーでスタイリッシュなバンド・サウンドを鳴らすNulbarichだが、本作は特に打ち込みによるトラックメイカー的なビート構築が耳に強い印象を残す。生演奏と電子的なプロダクションがシームレスに溶け合った音像は、FIVE NEW OLDのそれとも似た感触が。 *澤田
Nujabes,FAT JON samurai champloo music record and Blood『departure』 ビクター(2004)
ジャズとヒップホップの交配でオリジナリティーを確立したNujabesとファット・ジョンによるアニメのサントラ。「“四季ノ唄”のリズムがドラムンベースで格好良いと思ってやってみたら、ファレルとかコスモ・パイクみたいになったのが“Sunshine”です」(HIROSHI)。 *金子
エレクトロニックなサウンドを援用して、ソウル由来のグルーヴとメロウネスを生み出すFIVE NEW OLDのスタイルは、USポップ・シーンの最前線に立ち続ける彼らと重なるところが多い。現行のアーバン・ミュージックを参照する視点や、スケールの大きい美メロを描く手つきも近いような。 *澤田
よくU2とも比較されるグラスゴー出身の人気バンドは、『Too Much Is Never Enough』を締め括る“Gateway”のインスピレーション源に。「“Open Your Eyes”みたいな、穏やかなところからラストに向けて徐々に盛り上がっていく曲を作りたいと思っていて。ある種パーソナルな曲ですね」(HIROSHI)。 *金子
ニュー・メタルの旗手として登場しつつ、柔軟な姿勢で作品ごとに音楽的な振り幅を広げ、メロウかつポップな本作に辿り着くまでの流れはFIVE NEW OLDともリンク。HIROSHIは以前、プロデュースからアートワークまでマルチに手掛けるマイク・シノダに対する尊敬の念も語っていた。 *金子