Page 2 / 2 1ページ目から読む

海外シーンの最新情報

天野「亮太さんが心を病んでる間にも、いろいろなトピックがありました。ちょっとさかのぼりますけど、カニエ・ウェストがTwitterに復活してドナルド・トランプへのガチ愛を語りだした一連のポストは、もう台風の目でしたよね。ジョン・レジェンドがカニエを諌めてるメールを勝手に公開したりとか。多くの批判にさらされましたけど、(精神的に)大丈夫なのかな……。

合わせて、“Lift Yourself”とT.I.との“Ye Vs. The People”という新曲を出しました。その後は〈TMZ〉っていうゴシップ・サイトのインタヴューで『奴隷制は黒人が選択したもの』って発言して、もう誰も擁護できない状態。マジで大丈夫なのかな……」

田中「……とはいえ自身の楽曲以外にもクリスティーナ・アギレラの6年ぶりの新曲“Accelerate”をプロデュースしてたり、トラヴィス・スコットの“Watch”にフィーチャーされていたりと、ミュージシャンとしての存在感も示していますよね。というか炎上商法?」

田中「ポリティカルな話題を続けると、Spotifyがオフィシャルのプレイリストから、セクシャル・ハラスメントで訴えられているR・ケリー、ガールフレンドへの暴行疑惑の嫌疑を持たれているXXXテンタシオン、強盗殺人への関与が噂されるテイKの楽曲を削除したことも議論を巻き起こしています。作家と作品はある程度区分されてもいいように思いますが、いまは音楽と社会の関係が変容していく過渡期といえそうですね。

ガンズ・アンド・ローゼズが『Appetite For Destruction』のリイシューにあたって、人種差別/ホモフォビア的と非難されてきた“One In A Million”を収録しないというニュースもありました」

天野「さて。華やかな話題に移りますと、今週いちばんのトピックはメット・ガラじゃないでしょうか。メット・ガラって、アメリカ版『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターが毎年NYのメトロポリタン美術館でやってるファッション業界のお祭りなんですけど、とにかくセレブがたくさん集まるんです。

今年は〈カトリック〉がテーマで、それはそれでいろいろと議論を読んだりしたのですが、『ブラックパンサ―』のチャドウィック・ボーズマンとかリリー・コリンズとかが完璧な装いですごかったですね。神か。音楽ニュース的には、グライムスがハイパー実業家のイーロン・マスクと付き合ってるってことで、たくさんの人が〈マジかよ……〉ってなってましたけど」

田中かつてグライムスについて気合いの入った原稿を書いた天野くんも枕を濡らしたそうですね。ゴシップものでは、アリアナ・グランデとマック・ミラー破局したというのも話題。ケイティ・ペリーとテイラーがついに仲直りなんて報も」

天野「今週は忙しすぎてあんまり新曲を聴いてないんですけど、先週リリースのアルバムは豊作でした。なんといってもレイ・シュリマーの3枚組『SR3MM』。あとはDJコゼの『Knock Knock』、アイスエイジの『Beyondless』、リオン・ブリッジズの『Good Thing』はリピートしてました。それと、ゾウ(Thou)っていうカルトなドゥーム・メタル・バンドの新作『The House Primordial』も。特におすすめはしませんけど」

田中「僕はずっと布団でぶったおれてたんで、わりと新譜を聴いてましたよ。エレノア・フライドバーガーの『Rebound』、クコのEP『Chiquito』、アンバー・マークの『Conexao』、ポール・ホワイトの『Rejuvenate』などなど。あと、コンフィデンス・マンの『Confident Music For Confident People』が最高。ビッグ・ビートがついに報われる時代がきたのかもしれません」

天野「僕、懐かしい感じには興味ないんで。はい。本日はアークティック・モンキーズの新作『Tranquility Base Hotel & Casino』がリリースされました。リリース前に楽曲をひとつも公開しないという異例の作品ですけれども。一聴して〈何なんだろう、これ……〉という感じの不思議なアルバム。とか言ってたら、つい先ほどプレイボーイ・カーティのデビュー作『Die Lit』がリリースされました! やばい!!」

田中「へー。そんなことよりカーシート・ヘッドレストが昨晩〈The Tonight Show Starring Jimmy Fallon〉で行ったパフォーマンス、めちゃくちゃ良くないですか? 7人編成でのダンサブルな演奏も良いし、ハンドマイクで歌うウィル・トレドにも惚れ惚れします」

天野「確かにこれはカッコイイっすね。では、また来週!」