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『The Pool』へ流れ込むまでのごく一部

JAZZANOVA In Between JCR/Pヴァイン(2002)

EPや編集盤『The Remixes 1997-2000』などを長い前フリとした初のオリジナル・アルバム。2曲で歌うヴィクター・デュプレー、ロブ・ギャラガー、クララ・ヒル、吉澤はじめ、ダグ・ハモンドらを招き、音で当時のクロスオーヴァー・シーンの縮図を描いたような作りは同時期の4ヒーローにも通じるものだ。 *轟

 

JAZZANOVA Of All The Things Verve(2008)

ヴァーヴ発となった2作目は全曲にゲストを迎えた〈歌のアルバム〉という印象が強め。リオン・ウェア本人とドゥウェレによる“Rockin' You Eternally”をはじめ、御大アジムスや駆け出しのホセ・ジェイムズ、フォンテ、さらにアクセル&ステファンらによるシーフらがそれぞれに歌心を披露している。 *轟

 

JAZZANOVA Upside Down Sonar Kollektiv(2011)

彼らの音源を多彩な顔ぶれが再構築した『Remixed』(2003年)以来となるリミックス集。全体的にドイツ勢の活躍したハウス解釈が目立ち、まだ傘下にいた頃のインナーヴィジョンズからアームやヘンリク・シュワルツが手掛けたトラックが出色。ソナー・コレクティヴ所属のニーヴ・ナイーヴら新顔の抜擢も光る。 *轟

 

JAZZANOVA Coming Home Stereo Deluxe(2011)

〈部屋聴き〉を主題にしたシリーズ・コンピにてジャザノヴァが選曲を担当。自身の楽曲も含みつつ、基本はアーサー・ラッセルやルーツ、ジョイス、スティーヴ・カーンというプライヴェート感の強いチョイス。ここにジェイミー・カラムの“If I Ruled The World”が並んでいるのは『The Pool』への布石だったか。 *轟

 

JAZZANOVA Funkhaus Studio Sessions Sonar Kollektiv(2012)

初EP所収の“Fedime's Flight”(97年)など新旧の楽曲をバンドとのスタジオ・セッションによって再解釈したセルフ・リメイク盤だ。ツアーのライヴ・セット経験からの影響を反映し、『Of All The Things』にも参加していたデトロイトのポール・ランドルフがヴォーカルを担当。純然たる新曲“I Human”も出色。 *轟

 

ALEX BARCK Reunion Sonar Kollektiv(2013)

ジャザノヴァではメイン・ソングライターにあたるアレックスのソロ作。ライヴ・バンド主体の開放感へ向かうグループの反動か、硬質なハウスを中心としたエレクトロニックなビートやニューウェイヴ感覚の意匠を響かせる。そこに映えるピート・ジョセフやクリスティン・サレムらの温かい歌声も印象的だ。 *轟

 

VARIOUS ARTISTS Computer Incarnations For World Peace III Sonar Kollektiv(2015)

ニューウェイヴやイタロ、コズミック、フレンチ・ディスコなど70年代末~80年代に未来を夢想して創造された電子音楽のコンピ第3弾。選曲はアレックスが主に担当し、アンナ・ドミノやプラザ・ホテルと並んでCalmによるジャザノヴァ“Introspection”のリミックスも収録。 *轟

 

JAZZANOVA The Remixes 2006-2016 Sonar Kollektiv(2017)

彼らの手掛けたリミックス仕事集の第3弾。80s自国産ジャズのスピニング・モーション、ヒュー・マセケラやジョー・バターンら自分たちの源泉にあたる名前から、後進のヘリテイジ・オーケストラやマリカ・アヤンまで対象は多様。以降に絡む発端となったポール・ランドルフ“Believer”(2007年)もここで聴ける。 *轟