寒い季節に聴きたい、心温まるスタンダード・アルバム

TONY BENNETT,DIANA KRALL Love Is Here To Stay Verve/ユニバーサル(2018)

ジャズ・ヴォーカルのキングとクイーンが、ガーシュインの生誕120年をお祝い。トニーの初レコーディング曲でいまなお鉄板のレパートリーである“Fascinating Rhythm”など、ビル・チャーラップのキラキラしたピアノに誘われ、2人の甘い歌声が濃厚に溶け合っていきます。

 

CAMILLE BERTAULT Pas De Geant Sony France(2018)

動画サイトから人気が出たフランス人歌手のメジャー第1弾は、ウェイン・ショーターやビル・エヴァンス曲に歌詞を付けるなどユニークな〈スタンダード集〉です。随所で登場するしなやかなスキャットにパリの粋を感じ、ブーブレ版“La Vie En Rose”が気に入った方へ推薦したい一枚。

 

SEAL Standards Decca(2017)

フォスターとのコンビでソウル古典のカヴァー・シリーズを発表してきたシールが、この最新作で挑んだのはジャズ・スタンダード。オープニングのスウィンギー&ダイナミックなビッグバンド・スタイルから、むせび泣きの“My Funny Valentine”まで、メリハリのある構成はブーブレの『Love』と通じます。

 

STACEY KENT I Know I Dream: The Orchestral Sessions Okeh(2017)

オーケストラを従えてスタンダードを歌うという、ステイシーの長年の夢が叶った一枚。エアリーなウィスパー・ヴォイスと流れるようなストリングス――優雅に空を舞い、美しくさえずる小鳥の画が浮かんでくるようなナンバー揃いで、〈ジャズ・ソングバード〉なる彼女の愛称ともピッタリ。

 

JORDAN SMITH Something Beautiful Republic(2016)

フォスターが半数近い曲を手掛けた、「The Voice」の優勝者による初作。なかでも中性的でエンジェリックな声や幅広い音域をフル活用した“Amazing Grace”と“Over The Rainbow”が素晴らしく、不朽の名曲をポップに聴かせるという意味でメジャー移籍時のブーブレを思い出したりも。