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LIBROが拓いてきた音の足跡

LIBRO 胎動 Pヴァイン(1998)

詩的な歌い口と情緒豊かなループの妙が冴え渡る初作で、ジャズの定番ネタが降り注ぐ“雨降りの月曜”、嶋野百恵との“対話”などの人気曲を収録。日本語ラップ・ブームの当時から超然としていた佇まいから受ける印象は現在も変わらず。

 

LIBRO night canoe AMPED MUSIC(2009)

『音楽三昧』(2000年)や『三昧』(2003年)といったEP、Fuuriの活動を経て表舞台を離れた数年後、いきなり登場したカムバック作。全編がファットで美しい夜向きのインストで固められていて、ブランクを感じさせない緻密な手捌きは流石。

 

LIBRO COMPLETED TUNING AMPED(2014)

嶋野百恵や山仁、鬼、小林勝行、L-VOKALら各曲に演者を迎えたリーダー作で、現在までの好調に連なる礎の一枚。漢とMEGA-Gを交えた“マイクロフォンコントローラー”など2曲で久々にラップしたことが何よりのトピックとなった。

 

LIBRO GEAR BLACK SWAN(2015)

漢との縁から鎖GROUP/黒鳥に残したEP。フォロワーとも言えるPUNPEEを迎えた“Mileage Club”や、D.Oの歌心と好相性な“あの日の1993”、みずからマイクを握った“音信”など佳曲揃いだ。黒鳥の音源ではPONYやMSCの制作曲も必聴!

 

LIBRO 拓く人 AMPED(2015)

ついに全編でマイクを握ったラッパーとしての前線復帰作。人懐っこい“タイムトラベル”など、音も言葉も最高にメロディアスで快い。ファンキーな“自由型スキル”の漢をはじめ、JUNY THE DOPE BOY、嶋野百恵という最小限のゲストも光る。

 

LIBRO,嶋野百恵 オトアワセ AMPED(2015)

ほぼ同時期にデビューした頃から縁の深かった両名でのタッグ作品。嶋野の声が主役となる〈インスト以上歌もの未満〉の曲と、LIBROのラップ曲が交互に登場する構成。嶋野の麗しい歌唱が音の奥から前に出てくる後半はとりわけ感動的だ。

 

LIBRO 風光る AMPED(2016)

前年の快調ぶりを追い風にいつも以上の大ネタ使いもノリで突破。漢やポチョムキン、小林勝行、5lack、仙人掌、DJ BAKUとゲストを増やしつつ、キレを増した自身のラップが主役を譲ることはない。かつてない清々しさが吹き抜けていく傑作だ。

 

鶴亀サウンド AWAKENING Glue(2016)

餓鬼レンジャー“Raindrops”(2015年)のプロデュース、上掲作収録の“NEW”でのコラボを通じて交流を深めたポチョムキンとのタッグ作。ダンス・トラックやレゲエなどソロ作よりも幅広いビートがラップ巧者のコンビネーションを演出する。

 

LIBRO 祝祭の和音 AMPED(2017)

過去曲のセルフ・リミックスと新録曲を半分ずつ収めた変則的な構成で、20周年の祝祭に変化と不変を伝える名曲集。“雨降りの月曜”のDJ BAKUリミックスも、“リアルスクリーン”や“言葉の強度がラッパーの貨幣”などの新曲も並列の熱さ!