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DOGMAとLORD 8ERZ、それぞれの軌跡

DOGMA gRASS HOUSE 鎖GROUP(2015)

鎖GROUPとBLACK SWANの連作EPの一環として届いた初のソロ作品。パルプ・ノンフィクションな冒頭のスキットから嗜好は明白で、MEGA-GやDUTCH MONTANAを迎えて劇画的なフロウをドロリと注ぎ込む主役の不敵な振る舞いが耳に残る。ビート提供はないもののエンジニアとしてLORD 8ERZが助力。

 

GOKU GREEN HOTEL MALIFORNIA BLACK SWAN(2015)

『DROPOUT SIDING』にも参加しているGOODMOODGOKUが旧名義でBLACK SWANに残したフル・アルバム。作品全体を虚脱や蒙昧感が濃密に覆うなか、序盤の“The Same Mofos”にはDOGMAがゆらりと登場。シンプルで不安をそそるようなループが印象的な後半の“Nike”はLORD 8ERZのプロデュースだ。

 

STONEDZ Stonedz Project CREATIVE PLATFORM/Pヴァイン(2016)

MSCを縁にして鎖GROUPで活動してきたMEGA-GとDOGMAが立ち上げたハイなプロジェクトのオフィシャル・アルバム。言わずもがな全編がストーナー仕様で、BESとDUTCH MONTANA、T2K、MONYPETZJNKMNを交えた8人リレーも強力だ。なお、STONEDZ名義では梵頭の“Chain Smoker”に参加していた。

 

LORD 8ERZ More than 8 鎖GROUP(2016)

前年のEP『LORD 8ERZ EP』を契機にトラックメイカーとしても飛躍し、完成させた初のフル・アルバム。鎖の仲間以外にも三島やB.D、DDS、道ら縁深いMC陣が多数駆けつけ、BUDDHA MAFIAを招いた“It's Cool ~Mafiaの休日~”は特に話題となった。DOGMAとD.Oが緊迫の物語を演じる“Loop”もスリリング。

 

MONYPETZJNKMN bpm tokyo(2017)

今回の『DROPOUT SIDING』に3人それぞれが客演している、MonyHorse、PETZ、JNKMNのトリオ作品。こちらに収められたJNKMNのソロ曲“啓示の書”にはDOGMAが客演している。これ以前からJNKMNとDOGMAのコラボ交流は多く、STONEDZの“HATEFULL 8”に3人揃って駆けつけたことも。

 

漢 a.k.a. GAMI ヒップホップ・ドリーム 鎖GROUP(2018)

直前のミックスCD『ON THE WAY』でもDJ GATTEMとしてDJミックスを担当していたLORD 8ERZは、こちらの〈本編〉に3曲のビートを提供。じっくりドラマを塗り重ねていく“分岐点”、哀愁味のある“極東”もいいが、ユーモラスにも響く簡素な音色で不穏さを煽る“ワルノリデキマッテル”がやはり強力だ。

 

RYKEY MZEE Manhattan/LEXINGTON(2018)

RYKEYと漢、MEGA-G、DOGMA、 NIPPSの5人による配信曲“COVER UP”も手掛けていたLORD 8ERZはこちらの話題作にもトラックを提供。都会的な情緒がブルージーに流れる“listen”もいいし、Cz TIGERを迎えてトラップとは似て非なる呪術的なバウンスを敷いた“zero”も最高。“roll”にはDOGMAが客演している。

 

Cz TIGER WHATEVER TORNADO(2019)

『DROPOUT SIDING』でも“R.E.D.”に参加しているTORNADO所属ラッパーの気合いの入ったソロ作。Shurkn PapからJAGGLA、OZworld、Jinmenusagi、バンディットギャングマルコ、マイク・ジョーンズ(!)まで多彩な豪華ゲストがズラリと並ぶなか、“Alien”にはDOGMAが客演し、ふてぶてしい聴後感を残す。

 

T2K continue... 鎖GROUP(2019)

昨年の“Straight Outta Tokyo”でも注目され、今回の『DROPOUT SIDING』にも参加した練マザファッカーの一員が、同じ鎖GROUPから久しぶりの新作をリリース。これまでもD.OやSTONEDZらの曲でDOGMAと絡むことの多かった彼だが、こちらに収録の“SPRF”ではお返しにDOGMAをフィーチャーしている。