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今回の課題盤(2)

JOSÉ JAMES 『While You Were Sleeping』 Blue Note/ユニバーサル(2014)

――今回のホセ・ジェイムズはやっぱり新しいギターの人が効いてる気がしました。

「らしいですね。ホセ本人もすごい絶賛してたって聞きました。もうすぐ来日するんですよね?」

――行きますよー! 新作のレコーディング・メンバー全員で来るらしい!

「この曲もカッコイイですよね」

ホセ・ジェイムズの2014年作『While You Are Sleeping』収録曲“EveryLittleThing”

――これまでのホセを知っている人はまずびっくりするやつですね(笑)。

「そもそも“Trouble”が入ってる前作(『No Beginning No End』)で、〈ディアンジェロの再来〉みたいに言われたのを本人が気に喰わなかったらしいんですよ。そこからの吹っ切れ感もあるみたいで。“EveryLittleThing”はほんとカッコイイ。古くもないけどいま流行ってるわけでもない」

ホセ・ジェイムズの2013年作『No Beginning No End』収録曲“Trouble”ライヴ映像

――うんうん、そのバランスがいい感じ。

「カニエ(・ウェスト)の最新作(『Yeezus』)の“Black Skinhead”みたいな、ああいう振り切り方を思い起こさせますね」

カニエ・ウェストの2013年作『Yeezus』収録曲“Black Skinhead”

「ホセの前作あたりは、一枚通して聴けるかっていうと、結局飽きちゃうんですよ」

――トーンが同じだから?

「うん。ジャズとかソウルがすごい好きで……というリスナーじゃないと厳しい気がしました。でも今回のアルバムは、いまあるいろんな音楽を噛み砕いて、自分の音楽として上手く着地させてるというか。それなりにキャリアがあって、ブレイクも経験しているホセの新作と、今回デビューしたカーティス・ハーディングとでは、土俵は同じとは言えないかもしれないけど、すごく良い音楽を提示してくれているので、この先が楽しみです」

――単純にすごくセンスの良さを感じますよね……。

「センスがいい。聴いてきた音楽のセンスの良さも出てる感じ。ウィルソン・ピケットやオーティス・レディングしか聴いてこなかったような人はこんなことできないから。だからこそカーティスみたいな人が出るてくるたびに、本人が言ってるならまだしも、すぐオーティス・レディングやサム・クックに影響を受けた、みたいなことを書かないで!って思います」

――それによってリスナーの幅を狭めることになるかもしれないし。

「こういう感じなら、まだマルーン5を引き合いに出しているほうが全然喰いつきますよね」

マルーン5の2011年のライヴ映像

 

ハマ・オカモト

OKAMOTO’Sのヒゲメガネなベーシスト。最新作『Let It V』(ARIOLA JAPAN)も大好評のなか、この夏は〈ROCK IN JAPAN〉〈RISING SUN〉〈MONSTER baSH〉などなど、フェスへの出演が多く予定されています。そして8月27日には奥田民生やRIP SLYMEらを招いたコラボ・アルバム『VXV』をリリース! それに続き、9月からは初の日比谷野音公演を含む全国ツアーがスタートします。そのほか最新情報は、OKAMOTO’SのオフィシャルサイトへGo!

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