終わりのない旅を続けることを宣言した新作『Surviving』​

先頃リリースされた最新アルバム『Surviving』は、前作『Integrity Blues』(2016年)に引き続きジャスティン・メルダル・ジョンセン(元ベックのバック・バンドのベーシストで、近年ではパラモアやウルフ・アリスのプロデュースもしている)を共同プロデューサー、ケン・アンドリュース(フェイリュアー)をミキシングに起用するという、ジミー・イート・ワールドにしては珍しく同じチームで作られた。この結果、守りに入ったどころか、すでに気心の知れた顔ぶれという環境となって、いっそう音楽的なチャレンジを推し進めることができたそうだ。

『Integrity Blues』収録曲“Sure And Certain”
 

先行シングル“All The Way”は初めてサックス・ソロをフィーチャーし、異様なメイクを施したジムが登場するビデオがインパクト満点の“555”ではシンセ・ベースを押し出すなど、実際にさまざまなことが試みられている。それらは決して小細工のレヴェルでは終わらず、ここ数作品のなかでもとりわけ明瞭な成果として結実したように思う。アルバム・タイトルには〈終わりのない旅を続けていこう〉という力強い決心が反映されており、その意志はきっとリスナーの人生にも優しく寄り添ってくれるはずだ。

『Surviving』収録曲“All The Way”

 

変化を恐れないからこそ、真のエモーションを宿す

これまで、ジム・アドキンスには何度もインタヴューしているが、彼はいつも「同じところにとどまっているわけにはいかない。常に前進していきたいんだ」といった趣旨の心情を力強く語る。かといって、レディオヘッドのように根本からサウンドを変化させてしまうようなことはせず、彼らにしか生み出せない最上級のメロディーとフックを持つ極上のポップソングを大事に大事にしながら、そのなかで着実な変革を慎重に続けているのだ。だからこそ、ジミー・イート・ワールドの音楽に宿る真のエモーションは、永遠に色褪せない力を持っているのだろう。

では、最後に2010年に筆者が行ったインタヴューより、ジムの言葉を引用して、この稿を締めよう。

※rockin'on 2010年10月号に掲載
 

「僕は、このバンドに限界を感じたことがないんだ。僕たちはこれまでのアルバムでもすごくいい仕事をしてきたと思う。つまり、メロウなアコースティック・ナンバーでも、ヘヴィーなギター・ロックでも、気が滅入る不吉なサウンドの曲でも、どんな曲だろうと関係なく、自分たちが興味を持てて、好きになれる曲を追い求めてきた。そうすることで、このバンドは、常にやりたいことが何でもできる無限の可能性を持ち続けてきたし、同時にどんなことをやってもジミー・イート・ワールドになるってところまで辿り着くことができたと思う。今後も僕たちはずっと僕たちであり続けるだろうし、その意味では変わらない。だからバンドとして、僕たちにできることはまだまだたくさんあるんだ」

『Surviving』収録曲“Love Never”

 


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